キルミーアンドウェイト【呪術廻戦】【短編集】

Kill me and love 【七海健人】 ページ17

愛を唱える。



呪いをかける。


その少ない動作で私は生きて行ける。


私が出会ってきた沢山の男性の中で一等眩い貴方。


貴方が恥ずかしそうに。


唇を腕を、何もかもを寄せて来た日は、自分の初めての誕生日のように喜ばしかった。


駄々をこねて止められない子どもが足をバタつかせるように心臓がひとつ、ふたつと跳ねる。


この地球で何億いるかわからない人々の中で、私をただひとり選んで抱いてくれたのが酷く嬉しい。


もう私だって子供じゃない。


はじめても純情も装うことで誰だって騙された。

有象無象、私が知る男の人の固有名詞の中に貴方だって入っているはずだったのに、嬉しくてたまらなかった。


こんな単純な動作で狡猾だった私の脳は溶けるように綻ぶ。



抱きしめられた数秒、数分？


何だって構わないわ、その短い時間の中で彼と生きたいと思った。

貴方を私で満たしたいと思った。



「いいの？私、こんなにも汚れてるのに」



「関係ないです、私は貴方だから好きになっただけですから」




純情と清楚


汚れてもあなた好みに塗りつぶして




「馬鹿な人、こんな魔女に捕まっておいて」



「いいですよ魔女でも呪いでも、貴方という人なら」



「後悔しても知らないわよ、地獄までついてきてもらうから」




地獄の炎も突き刺さる針も貴方と一緒なら、もうどこに行ってもいい。

死した肉体が錆びるまで呪ってあげる。



もうずっと、私は貴方の虜。


離れられない、永遠なんて古臭いけれど、輪廻があるのなら死んでも生まれても愛して。

染め【吉野順平】※if→←あわよくば荒野へと【夏油傑】※雰囲気

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