甘やかな絶望【五条悟】 ページ15
貴方の生き方と考え方、ぜんぶ私色に塗り替えることができたらいいのに。
笑い方も泣き方も、怒り方だって私がぜんぶ設定して、表情も余裕の無さも浮き彫りになるくらい、愛することが許されればいいのに。
「ねぇ、呪いっていつなくなるの？」
「さあ、僕も分からない」
私と悟の時間を潰すやつなんていなくなればいいのに。
本来、私と過ごすべきだった時間はいくつかお前らに奪われたの。
いなくなってお詫び、なんてしたって許してやらない。
生まれてきたこと、いつか天変地異級の後悔してればいい。
そんなこと思うだけで消えてくれたら私は絶望なんてしていない。
「今Aが考えてること、当ててあげよっか」
「なあに、」
少しの甘やかな間をあけて微笑む悟。
目があったこの数秒を何かに閉じ込めることができたらいいのに、本当に。
「僕のことでしょ」
「正解」
言うまでもない。
わたし、四六時中ずっと悟のことばっかり。
「ねぇ、いつ私に呪いをかけてくれるの？」
「どうせ僕に呪われてるくせに、いいじゃん」
「嫌よ、皆に分かるように、ね、呪って」
しょうがないなぁ、と微笑む悟の薄い唇が触れる。
ねぇ、私も貴方もずっとずっと触れたかった。
指と指の先から流れる呪い。
私の心にはいつだって黒い百合が咲いている。
「もっと触って欲しい？」
「うん、悟が思うようにしてよ、ぜんぶ」
「かわいいことしか言わないね、Aと呪い合うときはさ」
もう触れられるのなら、私が認識できるものなら呪いだろうとなんだって。
甘い口づけと閉じ込められたふたりだけの空間。
一番最後でもいいわ、私を世界の果てまで連れてって、一番遠くに連れて行って。
貴方と一緒ならこんな地獄も歩いてゆける。
貴方の呪いでどんな絶望の中でも微笑んで生きていくから。
「僕のこと愛してる？」
「言うまでもないのに」
もう一度、腕を首に回してキスをする。
私達は今ならN極だとか、S極だなんてからかわれてもいい。
溶接されたような唇、もうどの女にだって呪いにだって渡さない。
私の呪いで、どんな呪いからだって貴方を守ってあげる。
貴方もそうでしょ？
さあ、はやく、私の手をとってランデブーしましょうよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿津(プロフ) - はじめまして！こちらの作品読ませていただきました！！なんというか、とても素敵でした。言葉一つ一つが心に刺さってくるような感じがとても好きです。上手く伝えられなくてすみません…（ ; ; ）これからも頑張ってください！応援しています：） (2020年10月16日 10時) (
レス) id: 510d3e29ad (このIDを非表示/違反報告)
ぽりすめん(プロフ) - rukiさん» はじめましてrukiさん！評価のことなのですが夢短編集気に入って貰えたらそれで良しのスタンスで行こう、と思えたので評価機能はオフにしました、まあ評価が怖いだけなんですが…コメントありがとうございます、体調に気を付けてしっかり夜寝てくださいね！ (2020年4月26日 23時) (レス) id: 46d4b25c7d (このIDを非表示/違反報告)
ruki(プロフ) - はじめまして!!気になったのですが、評価が出来ないようになっているのは故意ですか?気になって夜しか眠れません← (2020年4月26日 22時) (レス) id: 3e8c5a6235 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
