黄昏 ページ7
「…ハンジ、何故君がその子と居る」
「決まってるじゃん。この前のリヴァイへの求婚の件で仲良くなったんだよ」
殺伐とした雰囲気をどうにか和らげようと、子供ながらに思ったらしい。私は怖い顔をした団長さんに挨拶をした。
「…だんちょうさん？Aです、はんじさんとはお友達です。そんなにおこらないで」
「ぐっ…すまない。大の大人が子供を怖がらせてしまうなど＿＿おいで。膝に乗せてあげよう」
「え？？ちょっとエルヴィン、流石にそれはずるいでしょ〜！」
「君は散々Aと遊んだようだから十分だろう。今は私の番だ。命令だ、従え」
「酷い！嫉妬は見苦しいよ！！」
「うるさい」
わーわー騒ぎながらも私は団長さんにも紹介してもらい、ハンジ班のモブリットさんやニファさん、ミケ分隊長さんにも可愛がってもらった。これで兵長さんのお仲間とは大体顔合わせが済んだ。
改めて、兵長さんは仲間思いな人だと実感した。でも私は、ずっと疑問に思っていた事があった。
「はんじさん」
「なに？」
帰り道。私はハンジさんに訊いた。
「どうしてへいちょうさんはいつも怒ったお顔してるの？今日もだんちょうさんがちょっとおこってたけど、すぐにえがおになってくれたよ。でもへいちょうさんは、全然笑ってくれない…。」
ずっと考えていた事だ。笑って欲しかった、大好きなあの人に。
「＿＿君って子は……ふふ、そうだね、怒った顔、ねぇ…」
ハンジさんは暫く天を仰ぎ、考えているようだった。いつの間にか、赤く染まる空に白い星がゆったりと輝き始めていた。
「彼は怒っている訳じゃなくて…仲間の事が好きで好きで、大好き過ぎて＿＿考え過ぎちゃうから、いつも怖い顔をしてるように見えるんだと思うな」
「…そうなの？」
「本当の事はリヴァイ本人にしか分からないけど…少なくとも怒っている訳じゃないよ」
「じゃ、じゃあ…へいちょうさん、ちゃんとわたしの事もすきって思ってくれてるかな…？」
「きっとね。彼はああ見えてすごく繊細で、人思いで優しくて…何より＿＿」
彼女は、また少し考えるように言葉を切った。彼の内心を表す言葉を一生懸命探すように。
「何より…？」
「＿＿子供好きなのさ！」
「そうなんだ…！わたしうれしいな、花束だけじゃなくて、もっといろんなものプレゼントしちゃおっと！」
「良いと思うよ」
それから私は暫くはしゃいでいたが、ハンジさんはずっと静かだった。
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あーる(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます！！！！！まだまだ序盤ですが更新コツコツ頑張ります🥹 (12月16日 21時) (
レス) id: 4a598cc49e (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - やっぱりあーる様の作品はめっちゃ面白いです！ (12月16日 21時) (レス) @page4 id: e939615bba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーる | 作成日時：2023年12月15日 15時
