ラウンド19☆一期視点☆ ページ20
Aを大広間から押し出した鯰尾は、振り返って一期に尋ねた。
「いち兄。なんで政府に狙われてる理由、知らないフリしたの?」
「自分が生霊の類で歴史に影響をもたらしかねない、などと知ったら、彼女自ら命を絶ってしまうかもしれないと思ってね」
そう答えた一期に鯰尾はなるほど、と頷いたが、鶴丸が横から口を尖らせて話に入ってくる。
「じゃあそれで良いじゃないか。俺達も無駄な苦労もしないで済む。万々歳だろう」
「しかし…重傷が治ると分かった以上、下手に自決などされるのも如何なものかと。苦しむだけで死ねないというのは…」
「可哀想、って?」
一期は慌てて声のした方を向いた。
そこには腕を組み、見下ろす様な形で一期を睨み付けている加州がいた。
どう見ても不機嫌な様子の加州は一期を責め立てる。
「まだ言ってるの、それ。だーかーら、そんな情け掛けたって意味無いって言ってんの。って言うか、自決の方法なんて怪我する以外にもいくらでもあるじゃん。ほんと頭固いよね、あんた」
反論したかったが、一期は何も言えなかった。
確かに自分は、彼女に情けを掛けている。
それはもう誤魔化し様の無い事実だった。
返答に困っていると、背後からやって来た和泉守が加州の頭を右手で掴んだ。
「まだ懲りてねえのか加州」
「うわっ…!和泉守!?何すんの」
「困ってんだろ一期が。心なんて人それぞれなんだ。感情くらい好きにさせてやんな」
和泉守がそう言うと、加州は和泉守の手を払い除け、ふくれっ面で大広間から出て行った。
一期は軽くお辞儀をしながら礼を言う。
「ありがとうございます、和泉守殿」
「良いってことよ。またあいつ部屋でスネる気だな…全く」
まあ気持ちは分からんでもないがな、と言いつつ和泉守もその場を離れ、厨の方へ歩いて行った。
今、厨には歌仙と燭台切がいる。多分つまみ食いをしに行くのだろう。
その予感は的中し、数分後に歌仙の怒号が厨から聞こえて来た。
「和泉守っ!また盗み食いか!」
「べ、別に良いじゃねえか、ちょっとばかし!」
「蝉なんかを掴んだ汚い手で、折角の食事を触るなと言っているんだよ!」
「蝉じゃねーし!コオロギだし!」
「万死!!!」
目の前を、慌てた和泉守と包丁を握り締めた歌仙が、どたどたと横切った。
若干の不安を覚えながらも、一期は相変わらずの二人を見て少し安心していた。
〜追記〜
うちの本丸の兼さんは虫取りするタイプの兼さんです( ˇωˇ )
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月6日 18時