ラウンド20☆夢主視点☆ ページ21
「おおー…」
目の前に並んだ、豪勢な料理の数々。
何台ものテーブルが三列に置かれ、その脇には藤色の座布団が一直線に並べられていた。
「これ、作ったの?自分達で?」
Aが問うと、真っ白なエプロンを付けた燭台切が笑いながら言った。
「他の子も手伝ってくれたけど、殆どは僕と歌仙君が作ったよ。ね」
「まあ、僕は雅を愛する文系刀だからね。この位大したことないよ」
歌仙と呼ばれた青年は、得意げに鼻を鳴らす。
しかし先程から気になっているのだが、彼が着ているエプロンに赤色の染みがついている。返り血っぽいが…そうでないことを信じたい。多分ケチャップか何かだろう。
「さて。今日は歓迎パーティーだよ。少し物騒な所だけど、これからよろしくね、主」
燭台切はそう言って大広間にいる全員に呼び掛けると、Aににこりと笑い掛けた。
すると突然その後ろから、全体的に白い格好の青年と、青い髪を羽飾りで留めた少年が顔を出した。
「まーた光坊は抜け駆けかぁー?」
「ずるいぞみっちゃーん?」
二人は燭台切の背中にのし掛かると、それぞれ自らの名を名乗った。
燭台切はギリギリで踏ん張っているが、流石に二人乗っていると重いのか、足元はおぼつかない。
「俺は鶴丸国永だ。覚えておいてくれよ」
「俺、太鼓鐘貞宗。貞ちゃんって呼んでくれても良いぜ!」
「ちょっと、二人とも!」
限界を迎えた燭台切が力一杯体を起こすと、二人は簡単に背中から転げ落ちた。
振り落とされた鶴丸は悪戯っぽく笑いながら後頭部を押さえて言う。
「痛いぞ光坊、何してくれるんだ」
「いやそれこっちの台詞だから…埃が立っちゃうから止めよう。ほら、早く席に着いて」
「はいはーい。さ、久々のメシだー!」
太鼓鐘は跳ねるように、上機嫌で座布団に座った。
燭台切に、君もね、と促されたAは太鼓鐘の隣にそっと腰を下ろす。
すると向かいに座っていた、肩に謎の黒いモフモフを乗せた金髪の刀剣男士がAに話し掛けて来た。
「主。コーラとオレンジジュースと烏龍茶あるけど、どれ飲む?」
「え?あー、じゃあオレンジで」
その刀剣男士がジュースをグラスに注ぎ、Aにそれを渡したところで、燭台切が音頭をとった。
「皆居るね?歓迎会だからお酒飲む人は良い瓶開けて良いけど、明日の活動に支障が出ない程度にしようね!それじゃあ、乾杯!」
前置きの部分に一部の刀剣男士から不満の声が上がったが、その掛け声で宴は始まった。
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月6日 18時