NARUTO -化身少女-【我愛羅】

少年期12 ページ24

はじめて母の声を邪魔だと罵った。




"そうよ…能力の全てを見出すように、
いたぶって、恐怖させて、…殺しなさい"




うるさい。






"いい子ね…私の血を色濃く受け継いでるわ
そうよ、相手の恐怖こそ、私たち一族の能力を引き出させる"







どうでもいい。






「頼む！この忍具は渡すから、命だけは…！」





クナイを小さく投げ、
空中で逆手に持ち変える。






"殺せ！！！！"





「ひっ…」




2ミリ先には首。





泣き崩れた顔。







『もういいわ、行きなさい。
それをここに置いて、さっさと消え失せろ』





腰が抜けていたはずの男は、
鳩が豆鉄砲食らったかのごとくの逃げ足でその場を去った。




男が置いていった小さな箱を腰に巻かれた忍具入れに収納する。






「名前？」




『その名を呼ぶな』





面の下から名を呼ぶ者を睨みつける。
面のしない青年は気持ちの悪い笑顔を定着させている。







「逃したのか？」


『もう飽きたわ…。
根に帰り伝えなさい、私はもう根の仕事は手伝わないと。
シン、貴方と組むのも今日が最初で最後よ』







シンは笑顔を定着させたままだ。
その笑顔を見ていると、いたたまれなくなる。





感情を取り除かれている。
この胡散臭い笑顔を見ていると、意地でも根にだけは行きたくないと思う。







『なにか情報が掴めるかもしれないと思って、手伝ってきたけど。
半年でなんの成果もあげられなかった、もう根に用はないわ。サヨナラ』







シンをその場に残して瞬身。




まだ起きてるかな。



私がいなければ寝れないんだもの、起きてるわ。

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