10話 ページ11
作戦室に着き、振り返った三輪はハッとする。
名前が庇う腕はほんのりと赤みを帯びていた。
三輪「すまない。お前を傷つけるつもりはなかったんだ」
名前に伸ばした手は、届くことなく引き戻される。
今名前に触れれば、また傷つけてしまうかもしれない。そう思ったからだ。
『秀次、聞いて。私と貴方は、戦うことになる』
突然の言葉に三輪は目を見開く。
『近い未来、確定してる未来で…、私は秀次を傷つける。裏切るのよ』
また彼女は涙を流す。
ああ、そうか、彼女は先程も今も、自分を責めて泣いていたのか、と三輪は悟った。
三輪「泣くな、俺はお前に泣いて欲しいんじゃない」
『それにね、私は悔しいの。秀次が1番大切なの、でも迅は…迅は1人で苦しんでる。みんなが幸せになる未来を、100以上の分岐のある未来の中から苦しみながら捜してる…!』
戸惑いながらも三輪は先程、迅がしていたように、名前の涙を拭ってやる。
『迅に見えるものは、私にも見えるから、秀次が1番大切なのに母さんが言ってたように、迅を信じてるの。
だからきっと…、私は秀次を傷つける…』
嫌いにならないで…彼女は泣きながら呟いた。
こんなに壊れそうな彼女を抱きしめてやることしかできない自分に腹が立った。
三輪「俺がお前を嫌いになるはずないだろう…?
泣くな、お前に傷つけられるなんて思ってない。
迅も言っていただろ、お前にも未来を決める権利がある。」
見上げた彼は笑っていた。
また涙が溢れてくる。
『秀次…お願いがあるの…。』
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rina214skt2(プロフ) - アイカさん» あ、あはははは←タイトル、三輪くんの彼女は風間さんの嫁ですに変えようかなwww (2015年9月14日 8時) (レス) id: e1a54c24f8 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - あれ?三輪君の彼女なのに風間さんの嫁に見えてきたなんでだ? (2015年9月12日 22時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - アイカさん» はっ…!誤字…アイカさんありがとうございます!すぐに修正します!! (2015年8月25日 1時) (レス) id: e1a54c24f8 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 武が悪いじゃなくて分が悪いですよー (2015年8月25日 1時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - アイカさん» またお話思いついたら書きたいと思います!ありがとうございます\(^o^)/ (2015年8月12日 14時) (レス) id: e1a54c24f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ | 作成日時:2015年8月12日 4時