私と君とあの人。【三輪秀次】-完-

8.最悪の相性 ページ8

side_名前



出会った頃から、私は迅悠一という男が苦手であった。
決して毛嫌いしているわけでも、物理的になにかをされたわけでもない。


ただ、持って生まれた才能は、消せはしないのだ。



迅悠一のサイドエフェクトは未来視。
私のサイドエフェクトとなぜか相性が良いのか、迅のサイドエフェクトによってハッキリとイメージがされているからかはわからない、だが、他の誰よりも鮮明に、頭の中に映像が流れ込んでくる。


三輪「さっき、、迅って。」



一歩後ろを歩く、三輪が沈黙に耐えかねて言葉を発する。
私は彼の言いたいことがわかった。



『あだ名で呼んだら、苦手意識っていうのかな？が伝わらないかなって思って。迅のこと、悠ちゃんって呼んでたら、仲良しに見えるでしょ？』




その言葉を聞いた三輪は、歩みを止める。

私も歩みを止めて、振り返る、彼と私の距離は思ったよりも近かった。


三輪「なぜ、仲良くする必要がある。迅なんかと、玉狛なんかと。」




裏切り者の玉狛支部、いつか三輪がそう言っていたっけ。とぼんやりと思い出した。



『迅はね、私にとって必要なの、必要なヒントを与えてくれるの』



私は三輪に近づき、三輪の頬に触れる。
三輪はゆっくりと目を閉じて、私のサイドエフェクトを受け入れた。
三輪の整った顔に少し見とれてしまう。



イメージを送ろうとしたときだった、





三輪「名前」



ドキリとした。

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