私と君とあの人。【三輪秀次】-完-

27.変わってしまった人格 ページ27

風間「名前、まだ目を覚まさないつもりか？みな、心配してるんだぞ。」


病室に飾られたカレンダーは9月。
遠征から5ヶ月が経過していた。


名前のベッドの周りには数々の見舞い品が置かれている。
彼女の人気さはボーダー内で右に出るものはいない。




時を遡ること3ヶ月前、眠り姫のような彼女は1度目を覚ました。

居合わせたのは三輪、風間、迅、そして城戸司令だった。


三輪「名前？おい！気がづいたのか？！」

『…誰。近界民…。

嫌だ。違う、この人は、、、敵。敵よ。』

風間「おい、名前、落ち着け」


風間は名前の肩に触れる。


『触るな！！！！

違うの、違う、私は、返してよ。私のなの、この子に返して、』


何が何だか分からなかった。
目の前の少女は今までの少女とは別人だった。
頭を抱えて、声にならない叫びを上げ続けている。



『返…て。き…くん。』


少女は再び、深い深い眠りへと落ちていった。




迅はしっかりと名前を見据え、静かに病室を出て行った。



「迅」

迅はゆっくりと振り返る。


迅「そろそろかな、と思ってましたよ。城戸さん？」



迅は不敵な笑みを浮かべて城戸を見つめていた。

28.許されない逃げ道→←26.母の愛

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す