〈オリジナル〉殺し屋系グループでドSな相棒が出来たのですが。

銃声 ページ16

直後、すぐ近くで銃声が鳴った。
それは、蜜葉くんの銃からだ。

銃弾は見事命中し、真里奈は両足から血を流している。

「俺が引き金を引けばコイツを殺せる。でもそれじゃあ意味がない。」

『……どういう、』

「言っただろ。守られてるだけの気分はどうだ、って、アイツが。良いのかそれで」


撃て。
そう言いたいのは身に染みるほど伝わってくる。
撃ちたくない。けれど、生きる為に私は、ここにいると決めたんだ。


『私が、撃つよ』


「……わかった」

そう言った蜜葉くんの表情は、満足げだ。
私は、カバンから銃を取り出して照準を合わせる。


「ま…っ、待って、A！！」


聞かない。聞いちゃいけない。
今目の前にいるのは、もう、真里奈じゃない。


「私達友達でしょ…！？嘘、馬鹿なことしないで！」


叫ぶような懇願。
喉の奥がツンとして、だけどこの手だけは下ろしちゃいけないとわかった。


「なんで…っ、Aさえいなければ私は幸せに生きてけたのに！！Aのせいで、私は事故にあったのに！！」

『……っ！』


痛い。
怪我なんてしてなくても、彼女の叫びが、痛くて仕方ない。

銃が震える。
照準が、合わない。

不意に溢れたのは、大粒の、涙。


「私のこと守ってくれるって……そう言ったのに、嘘、吐いたの？」


嫌われるのが怖くて。
離れるのが怖くて。
ただただ必死に、微温湯に浸かり続けた。

だからこれは罰だった。
彼女のせいで死ぬことになったって、文句は言えなかった。

なのに、私は抗っている。
罰から逃れようと、再び。


「……下ろすな」

『蜜葉くん、』

「それはお前の覚悟だ、下ろすな。血に汚れても、正しく人を守れなくても、俺がお前の隣にいるから。味方でいてやる。だから撃て。＿＿＿＿＿＿＿A」


誰が呼ぶより、嬉しく響いた自分の名前。

私は両手で銃を構え、引き金に指をかける。


「A…？お願いやめてっ！！」


涙でぐちゃぐちゃの真里奈の顔。
私は、ぐっと唇を結んだ。




『もう＿＿＿＿＿＿＿…迷わない。』


銃弾が、彼女の頭をすり抜けた。

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