るろうに剣心もう一つの伝説《瀬田宗次郎編》《京都大火編》《伝説の最後編》 (ページ33)

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四什参ページ33

志々雄と食事をしている。

よくこんな天敵とご飯食べられるなぁ。

なんて思いながら会話を聞いてた。

どうやら伊藤さんという人は幕末の志士だったらしい。

「何人殺した？」

志々雄が投げかけたその質問に、奥にいたおじいさんが激怒している。

その瞬間、その近くにいた男の人が食事用のナイフで背中を差した。

志々雄は笑っている。

なんで…
いつもそうやって、人にひどいことをしては笑っている。

思わずそのおじいさんの元へ駆け寄った。

「大丈夫！？」

苦しそうにもがいている。
可哀想に…

「席につきなさい。」

皆んなが一生懸命おじいさんを助けようとしている時、伊藤さんがそう言った。

「え…なんで？仲間が殺されたんですよ？」

一応偉い人だから敬語を使う。
だけど…本当はこんな奴に敬語なんて使いたくない。

「いいから席につきなさい！」

しんと静まり返っている。

政治家たちの言いたいことは顔から読み取れる。

僕も同じ気持ちだ。

「持病で急死したことにしろ。」

そう言った伊藤さん。

皆んなも席に着いた。

僕も志々雄の後ろに戻って行く。

雰囲気は殺伐としてる。

できるならここから逃げ出したい…

宗次郎に裏切られた。
だからもう、僕はこんなところにいる必要なんてないんだ。

そっとタイミングを見計らっていたが、志々雄の言った言葉で脱走どころじゃなくなった。

だって、剣心さんが斬首刑なんて言うんだもん。

頭が真っ白だ。

伊藤さんは了承しちゃうし。

それなら志々雄を殺すしかない。
私に背を向けている今なら…殺れるかもしれない。

そう思った僕は、志々雄に気づかれないように刀を抜く。

皆んなは僕なんて見てない。

だったら、尚更今しかない。

ゆっくり半分まで抜いたところで、そこから一気に抜く。

そしてそのまま背中に斬りつけようとした。

…だけど、それは志々雄にかわされてしまった。

志々雄は持っていた刀を抜き、鞘を放り投げる。

そしてものすごい速さで襲いかかってきた。

なんだこれ…もしかしたら剣心さんより速いかもしれない。

首を狙われたと思ったら次はお腹。

そんな調子で狙うところが全然違うところへと移り変わる。

一回一回が油断できない状況で、攻撃どころではない。

と、思った瞬間、志々雄が刀を捨てた。

そして僕の首を掴むと、一気に上へあげた。