#5 中の人、外の人 ページ5
リヴァイが家を出た30分後、私も戸締りを確認して、兵舎に向かう。
いってらっしゃいのキスをするしないでかなり揉めて(どうせ同じ所に向かうのに、いってらっしゃいも何もないだろうと私は思うのだが)、
最後はやっぱりリヴァイが、ほとんど無理やり掻っ攫っていって(かっさらっていって)、
私は無駄な疲労を感じながら、現在に至っている訳だ。(歯、先に磨いとくんだった…)
言い忘れていたけれど、私たちがこういう関係(=夫婦)であることは、一応秘密になっている。リヴァイの立場というよりも、私の立場を考えての対応、らしい。
そりゃそうだろう。
私なんか、まだまだぺーぺーだもん。
一番下っ端なんだもん。
結婚なんか、考えたことなかったもん。
指輪もないし。
てか、本当に、「一緒に住んでるだけ」に近いんだし。
だから、兵舎の部屋は私のもリヴァイのも、そのまま残してあったりする。バレると色々ややこしい、という私の声が、唯一採用された珍しいパターンだ。今住んでる新居は、団長の計らいで、特別に充て(あて)られたもの。
ーーー夫婦なんだから、今のままでは何かと困るだろう?
紳士的な顔を崩さないまま、真顔で団長にそう言われた時の、
私の心理的負担を想像して欲しい。
はぁ、とかまぁ、とか曖昧(あいまい)にかえしたら、心底楽しそうな顔をされた。
…困らせて喜ぶタイプなのか。
リヴァイも、そうだが。私の周りには、そういう変な人が多い。
「はぁ…」
思わず溜息が溢れる。
団長の性癖は、ちょっと横に置いておくとして。
リヴァイのことだ。望めばどんな娘だって、手に入っただろうに。
なにも、「結婚」という形でなくても、良かっただろうに。
A「また、負のスパイラル…」
さっき、折角好きだと言ってもらえたのに。
項垂れて歩いていると、兵舎が見えてきた。
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りりこ(プロフ) - かたちなにさん» はじめまして、コメありがとうです!展開がややこしいお話なので、気に入っていただけてこちらも嬉しいです!糧にして、頑張って続き書きますね〜笑 2幕以降もお楽しみいただければ、幸いです! (2016年10月15日 13時) (レス) id: f30cb6bd23 (このIDを非表示/違反報告)
かたちなに(プロフ) - 見入ってしまった! 話が深くてとても面白い! 興味本位で読み始めたけどワクワクが止まりません笑 とても素晴らしい作品!! (2016年10月15日 8時) (レス) id: 750b6b2d88 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» こちらこそ、混乱させてしまって、ごめんなさいね(泣)精進いたします!応援&コメント、本当にありがとうございました! (2016年3月11日 17時) (レス) id: b097ba1888 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - そうでしたか!細かな説明ありがとうございます!どちらの作品も楽しく読まさせてもらってます!これからも応援してるので頑張ってください (2016年3月11日 15時) (レス) id: 3eef4ca069 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» というイメージです。ある種の「パラレル展開」という傾向ですね。長々と連投、すみません。あちらの作品は、「甘々展開だけが読みたい!」と思われた時にでも、立ち寄っていただければ、幸いです。コメントありがとうございました! (2016年3月11日 12時) (レス) id: ac8a3e0fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りりこ | 作成日時:2015年7月10日 2時