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#14 外の人、中の人 4 ページ14

A「………っつ」

リヴァイ「嗚咽(おえつ)堪えんな。全部吐き出せ…。俺は、ここにいる。どこにも行かねぇよ」

ずるずると鼻をすする音、そして今度は、色気もへったくれもない駄々っ子のような声で、

Aは盛大に泣き出した。

わぁわぁ言う声と、彼女の涙がシャツに染み込んで、ぼんやりあたたかい。

ーーーまだ、子供みたいな年だ。
俺の配慮が足りなかっただけ。
次からは、死ぬほど甘やかしてやろう、と考える。

リヴァイ「…すまなかった。不安に、させた。…もっとはやく、帰ってくるから。美味いもの食って、たくさん話をして、一緒に、眠ろう」

腕の中のAが、頷く。

リヴァイ「…欲しいものも、足りないものも、言ってくれ。…どんな些細(ささい)なことでも、構わない…。俺はAに、こんな風に泣かれることの方がよっぽどこたえる…」

脚を絡める。腕を絡める。
隙間がないようにぴたりとくっついた。

乱れていたAの息が、徐々に落ち着いてくる。

リヴァイ「何にも考えないで、眠っちまえ…。ずっと、そばにいる。…怖いと思ったら、俺を頼れ。大抵のことは、なんとかしてやれるから」

涙に濡れた顔で俺を見るから、
赤くなった鼻の頭に唇を寄せて、軽く触れる。

瞼の上に手のひらを置いて、
人口の暗闇を作ってやった。
しばらくして掌を除けると、Aの瞳は、もう静かに閉じていて、とても素直な寝息が聞こえてきた。

その夜以降、
Aは笑うようになった。
冗談に合わせ、時に愚痴を言い、夜は決まって一緒に眠る。

そして、今朝のようにーーー俺の仕掛ける悪戯(いたずら)に本気で照れて、怒り出す。

今朝。
心底悩んだように言うAに、
俺は一瞬、本気で焦った。

芋の芽を削いでいる途中で、本当に良かったと思う。

ーーー振り返って、あいつの顔を見ずに済んだから。

A「…ねぇ、どうして私なの?」

ーーー『結婚』の核心に、触れられずに済んだから。

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りりこ(プロフ) - かたちなにさん» はじめまして、コメありがとうです!展開がややこしいお話なので、気に入っていただけてこちらも嬉しいです!糧にして、頑張って続き書きますね〜笑 2幕以降もお楽しみいただければ、幸いです! (2016年10月15日 13時) (レス) id: f30cb6bd23 (このIDを非表示/違反報告)
かたちなに(プロフ) - 見入ってしまった! 話が深くてとても面白い! 興味本位で読み始めたけどワクワクが止まりません笑 とても素晴らしい作品!! (2016年10月15日 8時) (レス) id: 750b6b2d88 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» こちらこそ、混乱させてしまって、ごめんなさいね(泣)精進いたします!応援&コメント、本当にありがとうございました! (2016年3月11日 17時) (レス) id: b097ba1888 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - そうでしたか!細かな説明ありがとうございます!どちらの作品も楽しく読まさせてもらってます!これからも応援してるので頑張ってください (2016年3月11日 15時) (レス) id: 3eef4ca069 (このIDを非表示/違反報告)
りりこ(プロフ) - ハルさん» というイメージです。ある種の「パラレル展開」という傾向ですね。長々と連投、すみません。あちらの作品は、「甘々展開だけが読みたい!」と思われた時にでも、立ち寄っていただければ、幸いです。コメントありがとうございました! (2016年3月11日 12時) (レス) id: ac8a3e0fe6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりこ | 作成日時:2015年7月10日 2時

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