粗大ゴミ（新宿で情報屋をしている折原臨也）を家の前に捨てるのはやめてください。

１８、アイデンティティ ページ18

臨也side



仕事終え、

チャットルームを開くと、

罪歌が暴れていた。



チャットルーム__________


罪歌さんが入室しました______

罪歌：愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる

罪歌：彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女

彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女


罪歌：どうして

罪歌：操れない

罪歌：どうして、どうして、どうして、

罪歌：彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女

彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女

彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女

彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女、彼女


罪歌：ほしい



罪歌さんが退室しました______

チャットルーム誰もいません_________

チャットルーム誰もいません_________

チャットルーム誰もいません_________









波江side





仕事に区切りがつき、臨也の方を見ると、


パソコンの画面を見ながら酷い顔をしていた。



臨「.....」

波「どうしたのよ、そんな顔して」



臨「Aちゃんが罪歌に襲われた...」

波「はぁ...そんな顔するくらいなら助けに行けば？」


臨「....」



めんどくさい奴ね、

そんなに気になるなら行けばいいのに、




波「そう、じゃあ私は帰るわ」

そう言い残し事務所を後にした。







臨也side





なんだこの気持ち...

Aちゃんが罪歌に襲われたと思うと


落ち着かない、仕事に集中できない。






俺はいても立ってもいられなくなり、

運び屋に電話をかけた。



自分じゃ動けなかった。






動いたら何かに気づいてしまう気がした。









それから新羅から電話がかかってきて、


新『腹部の刺し傷が特に酷かったけど、

命に別条はないよ」



その言葉に酷く安心している自分がいた。







臨「あぁ、そうか、ありがとう

彼女が起きたら彼女の家に連れて行ってくれ」


そう言って電話を切ろうとすると、





新『折原君、もしかして彼女のこと好きなの？』


その言葉に動揺している自分と、

彼女は観察対象だという自分の根本的なアイデンティティがその感情に邪魔をする。




臨「いや、せっかくの観察対象だからね、

まだ、切り捨てるのには惜しいかな」


新『そう、手遅れになる前に自分に正直になった方が身の為だよ、じゃあね折原君』




そこで電話は切れた。









臨「チッ....」


ガンッ

イラつきで近くにあったテーブルを蹴り飛ばした。

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