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天地の差があるから (2) ページ14

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Aはデートしない、なんて言ってない。そして薫はどんな条件でも言って、と口にした。

ならばもう話は済んだ。薫の所属するユニット……UNDEADが【DDD】で優勝すれば薫はAとデートすることができる。



『そ、それマジ?Aちゃん』

「マジです。勿論、【DDD】は私も見に行きますから!」

『本当!?』



しかし性悪のAは、どう言えば彼がやる気を出すのかをちゃんと理解していた。こんなの自分がかわいくて好意を持たれていることを理解していないとできない芸当だ。

ハイテンションで電話を切った薫に若干の苦笑いを作るA。



「あ、じゃあ。私は今日は帰るね?」



そう言って振り返ると。そこには、ポカンと口を開けたまま固まっているTrickstar+あんずが。

びっくりしてAも固まっていると、感心したような声を漏らしたのは真緒だ。



「先輩、すごいですね。俺この前羽風先輩と喋りましたけど、あの先輩を手玉に取るなんて……」

「て、てだま!?」



真緒がそう言った瞬間、真っ赤になるAの顔。当然のごとくこれは演技だが、その演技に騙されない人などいない。

慌てる真緒と、先輩はそんなことしてない!と怒るあんず。



「じゃ、じゃあ……本当に遅くなっちゃうから。私はこれで失礼します」

「!……せ、先輩、ありがとうございました!」



最後にお礼の言葉を口にするあんずに、まだ頬の熱が引かないまま薄く微笑む。あんずの目がハートになったのは、残念ながら幻覚ではなく現実だった。






______________
________





家に着いたAは、すぐに自室にこもってしまった。制服のままベッドに転がり、どこか非現実じみた今日の出来事を振り返る。



「あんずちゃんと仲良くなったのは、失敗だったかな……」



再度言うことになるが、別にAはその性格の悪さを発揮して、アイドルに近づくためにあんずを利用している訳では無い。

ただ、このままあんずに関わっているとアイドルとの接触が増えそうだ、とAは思っていた。


夕飯を食べることも、宿題をすることも、制服を脱ぐこともなく、いつの間にかAは眠りについていた。



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剥がれる“余裕” (1)→←天地の差があるから (1)



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とわね(プロフ) - とても惹かれる作品です!更新頑張ってください! (2018年8月18日 16時) (レス) id: 1958dfbf36 (このIDを非表示/違反報告)
リッコ(プロフ) - ラムネを制する者さん» 本当だ……すごい間違いをしてしまいました。ごめんなさい。ご指摘ありがとうございます(^-^) (2018年8月10日 20時) (レス) id: d3767f5969 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネを制する者(プロフ) - すごく好みのお話で楽しく読ませてもらっています!吸血鬼が目覚める夜(3)の零さんの台詞の『ならぱ逃げなけれぱよい』なんですが『ならば逃げなければよい』なのでは?間違っていたらすいません! (2018年8月10日 18時) (レス) id: f868d1ea51 (このIDを非表示/違反報告)
リッコ(プロフ) - フラッペさん» お褒めの言葉、ありがとうございます!初作品ですが、“丁寧”を意識してこれからも頑張っていきたいと思います! (2018年8月10日 11時) (レス) id: d3767f5969 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ - こういう細かな文章とても好きです。キャラ一つ一つの感情も伝わってきますし、かく現場も想像できていいですね。おじいちゃんの零先輩も俺の方の零先輩も大好きなので続きが気になります……♪ (2018年8月10日 10時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リッコ | 作成日時:2018年8月7日 17時

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