死神様のお仕事 6【刀剣乱舞】 (ページ8)

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仕事_104 ページ8

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山姥切side

雪を踏み分け、早足で広間のある本殿へ向かう。

「……本当に、初代だった…」

見習いが初代の主だと聞いて、あの時は正直信じきれていなかった。

だがさっきの面を被っていない見習いは、まぎれもない初代だった。

あんな色をした目の人間は、おそらくあいつぐらいだろう。

当初はあの血色の瞳がなんとなく不気味で、特に顕現したての短刀からは怯えられていた。

穏やかで優しいやつだとわかるまでに、そう時間はかからなかったが。

「(なぜ突然、変わったんだ…)」

初代が豹変したのも、今と同じ冬だった。

いきなり呪術を使い始めて…

「……？」

急にひどい胸騒ぎがして、自然と歩調が緩まる。

あいつが豹変してから、酷い傷を受ける日々が続いた。

あの時はそれどころではなく考える暇もなかったが、傷は主に二種類だった。

妙な模様の痣(あざ)と、刺傷や切傷。

痣は呪術によるものだ。俺もそれは何度か負った。

「(なら他の傷は…？)」

言い表せない冷たいものが背筋を滑り落ちて、思わず足を止めた。

初代が持っている、武器になるもの。

さっきの戦闘で、鈍く光る何かが視界を掠めた。

あれは腰帯に差された、二本の…

「筆架叉(ひっかさ)……！」

呟いた直後、爆発音が鼓膜を叩いた。

身を翻(ひるがえ)して地を蹴る。

間違いない。あれはAの言霊だ。

まさか…

「Aっ…！」

頼む、間に合ってくれ……！

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NO side

にっかりたちは漣と役人が来るのを、時を数えて待っていた。

愛染の下にいるひのとは微動だにしない。

Aは上を仰ぎ見る。

空は薄暗く、厚い雲に覆われていた。また雪が降るかもしれない。

視線を戻したAは、不意に息を詰めた。

『(なんだ…？)』

戦慄に酷似したものが彼女の胸を貫く。

Aの様子に気がついたにっかりが瞬(まばた)きをした。

ざわりと、風が動く。

言葉にできない違和感を感じて、愛染は視線を落とした。

ひのとの横顔。戦意を喪失したはずだった彼の血の瞳が、愛染を真っ直ぐ睨んでいる。

＿＿その瞳の奥に揺れ動く、青白い炎の輝き。

『愛染＿＿！！』

Aの叫びが空を裂いた。

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