仕事_103 ページ7
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ひのとは冷笑して更に力をこめた。
ひのと「死ね…！」
Aはうめき声一つもらさずに、微かに顔を歪める。
その瞬間、彼女の背後から影が跳んできた。
ひのと「なっ？！」
流石のひのとも驚愕し、Aを放り飛ばしてその小柄な影に拳を振り下ろす。
影はそれを造作なくかわして腕をつまえると、地面を軽く蹴って、ふわりと体を宙に浮かせた。
そのまま、何が起こってるのかわかっていない様子のひのとの顔に足を引っかけるようにして、自分の体ごとひのとを地面へと引きずり倒す。
Aが起き上がってひのとを見ると、すでに彼は手首、肘、そして肩の関節を完全に固められ、雪に覆われた地面に
愛染「っしゃあ！確保！」
愛染は高らかに叫ぶと、Aに無邪気な笑みを向ける。
愛「なぁなぁ！見てた？俺これ一回で覚えたんだぜ！」
にっかり「やはりこういうのは短刀が向いているね」
にっかりが山姥切の肩を借りて歩いてくる。
ひのとの霊波を直で受けたにっかりだが、それほど怪我はしていないようだった。
愛「二人とも、飛ばされてたけど大丈夫だったか？」
山姥切「ああ…雪が積もっていて助かった」
布についた雪を払う山姥切を見て、Aは安堵の息をつく。念のため柏手も打った。
『…(ｹﾎｯ』
声をかけようとするが、強く絞められたせいか空気が喉につっかえてうまく出せない。
山姥「おい、大丈夫か…Aが首を絞められていたのに、なぜもっと早く動かなかった」
愛「ええっ、ご、ごめん！いつ出たらいいのかわかんなくって」
これは即席で考えた作戦だった。
初めから姿を見せるのは山姥切のみで、にっかりは物陰に潜んで機会を待つ。彼がひのとを捕らえる役で、愛染は想定外の事態に備えてずっとAの背後についておく、というものだ。
本当にごめんな、と続ける愛染に、Aは仄かに微笑んで首を振る。
『平気だ…気にするな』
に「ああ、首に痕がついてしまっているね……手の痕のことだよ？」
愛「…今の、石切丸に言うからなー」
に「それは勘弁しておくれよ」
山「はぁ……俺は政府の役人に伝えに行く。あんたたちは少し待ってろ」
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山姥切の背を見送っていたAたちは、気付かない。
固められていない方の手で、ひのとが
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作者名：葛の葉 | 作成日時：2018年12月16日 16時
