仕事_142 ページ46
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たとえ“絶対”が存在しないのだとしても＿＿＿
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平野「では。行ってまいります」
一期「気をつけるんだよ」
『無理はするな』
鶴丸「おう！」
秋田「八つ時には帰ってきますね！」
燭台切「お団子作って待ってるよ」
大和守「団子！清光、僕の残しといて」
加州「んー、気が向いたらね」
大和守「はぁ？！」
加州「食べたいんならちゃんと帰ってきなよ」
大和守「残してくれてなかったら怒るから！」
鯰尾「まぁまぁ！ほら、行きますよ！」
『(ｸｽｯ 行ってらっしゃい』
光に包まれた彼らの姿は、一瞬のちに時空を飛んだ。
久々の出陣だ。
燭台切「さて。今日はみたらし団子にしよっか」
加州「手伝うよ。歌仙も呼ぶ？」
燭台切「そうしてくれると助かるな」
加州「わかった。Aもおいで」
『(ｺｸﾝ』
一期はそれを意識の端で聞きながら、はるか雪原をぼんやりと眺めていた。
ふいに左手が暖かいものに包まれて、はっと隣を見る。
小さな両手が一期の手をそっと握っていた。
淡く微笑んだAが一期を見上げる。
『一期も、行こう』
はっと目を見開いて、一期は顔をほころばせた。
一期「っはい」
繋がれた手から、温かな想いが伝わる。
それがそのまま目の奥で熱に変わるのを感じた。
彼女に悟られないように、瞬きをして。
彼女に気づいてほしいこの想いを込めて、手を握り返す。
ひんやりと冷たい、けれどどこか優しい風が、二人の頬を撫でて通り過ぎていった。
* * * * *
お前が望むなら、何度でも手をのばす。
何度でも、その手を掴む。
そして、絶対に離さないと、ここに誓おう＿＿＿
第二章＿＿終＿＿
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作者名：葛の葉 | 作成日時：2018年12月16日 16時
