死神様のお仕事 6【刀剣乱舞】 (ページ33)

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光の粒が舞っている。

どこまでもどこまでも舞い落ちて、沈む底は深淵(しんえん)の闇だ。

ひのとの代わりに、Aは冥がりに沈んでいく。

ああ、帰らないといけない。

でも、困った。体が動かない。

力を使い果たしてしまったのかもしれない。

『だってさ…』

どうしても、会わせてやりたかったんだ＿＿＿

─＊─＊─＊─＊─＊─

漆黒の触手に覆われた化け物は、唐突に硬直した。

それまでさざなみのように蠕動(ぜんどう)していた全身が、びきりと音を立てて凍りついたのだ。

ようやく太刀のもとへ辿り着き、懸命に身を起こした一期は、はっと息を呑んだ。

一期「A殿！」

一期の叫びに応じたように、化け物の体内から白熱の閃光が迸る。

漆黒の表皮に亀裂が生じ、そこからまばゆいばかりの輝きがこぼれて、一瞬のちに爆発した。

白熱の光に焼かれた化け物の破片は、粉々に砕けて消えていく。

爆発でえぐられた雪の中に、ぼろぼろになった狩衣(かりぎぬ)をまとった小柄な影が、うずくまっていた。

一「A殿っ！」

引きつれた声で叫びながら、一期は雪を蹴った。Aのすぐ傍らに膝をつき、彼は血相を変える。

一「大丈夫ですか？！ A殿！」

返答はない。Aはぴくりとも動かない。

一期はざっと血の気が下がっていく音を聞きながら、Aをやや乱暴に抱き起こした。

口元に手を当てても、呼吸が感じられない。一期の脳内が一瞬にして真っ白になった。

左手で胸ぐらを掴んで、容赦なく張り手を食らわせる。紙のように白いAの頬が、高く鳴り響いた。

一「馬鹿！目を開けなさい。息を…！いくらあなたでも許しませんぞ！ふざけないでください、A殿…っ！」

反応はない｡

いつだって、名を呼ぶたびに呼び返してくれた声が、聞こえない。

一「目を、開けてください…！」

応えは、ない。力なく閉じられた瞼はぴくりとも動かない。

嘘だ、嘘だ。許さない、こんなところで死ぬなど、絶対に許さない。

一「…A殿…！」

声が、息が詰まる。胸がふさがる。唐突に甦(よみがえ)った光景が、視界を覆い尽くした。

薄暗い部屋の中、血に染まって倒れた弟の姿が脳裏を貫いて、衝撃が心を押し潰す。

一「……の…っ」

一期は言葉を失ったあと、悲痛な声で絶叫した。

一「……A…っ！」

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