仕事_21 ページ4
.
Aが奥の部屋へ連れて行かれ、鍵の閉まる音が響く。
その部屋を守るが如く 兵士達が残された二人の前へ立ちはだかった。
兵士「退がれ。警告は一度だ。付喪神であろうと指示に従わない者は敵意ありと見なし、火器を用いて排除する」
掲げられた自動小銃、その黒い銃口が鈍く光る。
十人以上の完全武装兵士が、銃をいつでも三日月と一期に撃てるように向けている。
その兵士達の放つ威圧感は尋常ではない。
だが彼らは怯むどころか、声色ひとつ変えずに言った。
三日月「俺たちも警告は一度だ。そこを退け」
一期「私達の主を閉じ込め 無理やりに密会を行うなどの外道、許されるとお思いですか」
彼らの全身から殺気が爆(は)ぜる。
武装兵士達と二人は、僅かな距離を挟んでしばし睨み合った。
?「……銃を下ろしなさい。神が相手では銃の脅しなど効きません」
背後からの声が命じると同時に、兵士達はさっと銃を下ろす。
二人が振り返ると、そこにはスーツを着た男が立っていた。
目の下には濃い隈ができており、全体的に疲れた様子の男だ。
男「(ったく、死神に脅されてあの本丸の厄介事を全て背負わされた挙げ句、今度はその本丸の死神と付喪神を招待させられて、あわや政府が物理的に崩壊しそうに……)」
はぁーと大きな溜め息をついたこの男、Aの上司に脅され 本丸に食料を送っていたあの政府二人の片割れだ。
三「男、この部屋を開けろ。Aを返してもらう」
一「我々はA殿の護衛です。これ以上お側を離れるわけにはいきません」
男「あの〜、一つお聞きしたいんですが」
三日月と一期の、Aを是が非でも守ろうとする必死な様子を見て男は気になった。
男「あなた方は“あの小娘”の、どこに価値を見出だしたんですか?」
2088人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葛の葉 | 作成日時:2018年5月17日 0時