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ASide


「ホンマごめん」
「……」


こちらに背中を向けている侑にそう言ったが返答はない。
おい反応くらいしろよ。


「ちゅーか吐きそうって言うてるのにツムが無理やり歩かせるから悪いんやで。野口さんは気にせんでええよ」
「でも、ほら、宮くんの制服に盛大に吐いてしもうたし……」


保健室の先生に洗ってもらった制服をビニール袋に入れながらジャージ姿の宮侑はブスっとしていた。
治の方は気にせんでええって言うけどこれ侑の方めっちゃ怒ってるやん。
まぁ私も吐いたせいでジャージ姿ですけど。


「治くん、あれは気にする、あれは気にしなあかんやろ」
「すまんな、なんで怒ってるかは知らんけど無視でええから」
「コソコソ言うても聞こえるわ!!別に怒ってへんし!!」
「いやめっちゃ怒ってるやん、ホンマごめんって……でも私も吐くなって言われても無理だったけど」


がらり、と保健室のドアが開いて誰かやって来た。


「侑、大丈夫か?」
「「北さん!」」


様子を見にやって来たらしい北さんはジャージ姿だった。そっか、部活前だもんね。
とりあえず拝んどくか。


「……野口さんやっけ、侑が迷惑掛けてすまんな」
「いえ、もうその言葉だけで幸せなので」
「侑もちゃんと謝ったんか?」
「……」


北さんその人はまだ謝っていませんそしてめっちゃ怒ってます(合掌)。


「元はと言えばお前が野口さんを急に立たせたりしたからやろ、貧血は急に立ったらあかんねんぞ」
「……具合悪そうやったから、早く保健室連れていかんと、思て……」
「せめてゆっくり立たせるやろ、気持ち悪い止めてって訴えても連れて行こうとしたのはお前や聞いてるぞ」


一体誰から聞いたんだろうとチラリと治の方を見ればブイサインをしてきたのでコイツに間違いないだろう。
というか双子でも相手を売るような事するんやな。


「めっちゃ怒ってる北さんも素敵やなぁ……」


ぽそり、とそう言うと侑がぎろりとこちらを睨んだ。
え、聞こえたん!?怖っ!!


「野口さん、ホンマごめんな、もうすぐ部活始まるからコイツら連れてくわ……またバレー見に来てな?」
「はい!!」


最後に頭をポンポンと撫でて行った北さん。


「へ、」
「無理せんようにな、帰りは気をつけるんやで」


そう言って出ていく北さん。
何あの頭ポンポン。
何あれめっちゃイケメンじゃん、あれ、涙出てきたぞ?
とりあえず北様神様仏様。
出ていく際に侑が睨んで来たのには無視をしておいた。


.

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設定タグ:ハイキュー , 稲荷崎 , HQ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:Ryu | 作成日時:2020年7月9日 13時

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