14話 ページ15
福沢side
その後の彼女は大人しかったものの、不定期に殺してくれと泣き出して暴れようとする
安全の為に手足をベッドに固定したはいいものの、今度は舌を噛んで死のうとするので布を噛ませた
そうすれば彼女はただ虚ろに涙を流して首を振るのみで、私は傍にいることしか出来ない
そのまま頭を撫でていれば、疲れが限界に達したのか気絶するように眠ってしまった
「……ったく、ようやく寝たか。全く、どこまで迷惑かければ気が済むんだか……」
ため息を吐く与謝野に少し、眉を顰める
「……其の様な言い方はやめろ」
「……でも、春憂は芙羽梨を……」
紫桜を睨む与謝野を窘める
「分かっている。だが未遂だ、その上ここ数ヶ月の彼女には酷く負担をかけていた。そこまで追い込んでしまった我々にも責任はある」
「……」
黙り込む与謝野
納得はしていないようだったが、ひとまずはそのまま紫桜の容態の確認に戻った
「……心療内科は担当じゃないから、あくまでも所感に過ぎないがね」
そう前置してから話し出す
「今の紫桜は極度の不安障害だ、それに加えて鬱も併発している。……到底仕事を続けられる状態では無いね」
カルテを見ながらそう言った与謝野は、正直これ以上探偵社で彼女と仕事なんてしたくない、と付け加える
探偵社員の半数以上は華咲に心酔している
ここで彼女を働かせたくないのは、私としても同意だった
……自主退職の勧告、というのが1番妥当な案ではあった
だが、私からそれを告げられた彼女がどんな行動に移るかなど火を見るよりも明らかだ
何よりここまで彼女を追い込んだのは、社長たる私の責任だ
それなのにこんな状態の彼女に自主退職を迫って放り出すというのは、些か不義理に過ぎる
「……紫桜……」
ベッドに固定されたまま、力無く投げ打たれている彼女の手を優しく撫でる
返事は無いものの、小さく、弱々しい力で私の手を握ってくれた
そのまま、私は思考する
……妥当な結論を見つけるまで、しばらく考える必要があった
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朱鷺 - 太宰さんが馬鹿でウケる (1月30日 9時) (
レス) @page25 id: b34111cf4c (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 サブ - お話全て読みました。感動です。死にます。 (1月19日 4時) (レス) @page24 id: 7ba6d2397a (このIDを非表示/違反報告)
太宰の包帯少女 - ふわり許すまじ！！紫桜ちゃん幸せになって…！！ (1月17日 11時) (レス) @page1 id: 76044cacdf (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷 - 初コメ失礼します！ こういう社畜系のお話大好きなんですよね〜 これ作った作者さん神でございます (1月13日 19時) (レス) @page18 id: bf74b10c25 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 社長オオオオオオ！、！夢主ちゃんを守ってあげてええええええ！！！ (1月12日 17時) (レス) @page15 id: a350d82ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riizumi7 | 作成日時：2024年1月10日 1時
