猟犬に拾われた幼女【文スト】

2話 ページ3

「……まずは異能技師による治療じゃのう。これでは目も見えんし動くことすら叶わんだろう」

『……』

返事は無い
後になって気付いたことだが、彼女は喉を焼かれていたらしい

「……隊長？」

「む、条野か！はは、今日も元気そうでなによ……なんじゃその目は」

「隊長……とうとう誘拐ですか？しかも……彼女……うわ……」

「うわとはなんじゃ！これには深いわけがあって……とにかく彼女を早く医務室に運ばねばならん！」

『……』


「……彼女、心音が怯えていますね。隊長、抱き上げ方が雑なのでは？」

「ううむ……やはりか……」

「…………はぁ、しょうがないですね。私も付き添います、隊長だけでは不安ですから」

そう言って儂の先を歩く条野
全く、辛辣だけどいい部下を持ったものだ

「とある村で拾ってのう、そもそも四肢切断、眼球破裂……とまぁ、酷い状態でな。とにかくどうにかしてやってくれ」

うちのお抱えの異能技師の元へ連れていき寝台へ寝かせる

「ええ……そ、そんな無茶を……。……了解です」

異能技師へ睨みをきかせると大人しく準備にかかる
……が、難しいだろう

そもそも、彼女はこれだけの拷問を受けて死んでいない方が不思議なのだ

「うわ、これなんだ？……ひでぇな、こりゃ」

「望み薄だが大英雄福地殿からの直々の依頼だ。……どうにか蘇生してみせるぞ」


……異能技師達の会話が聞こえた

「……それで、隊長。どうするのですか、彼女は」

「そうじゃのう……」

彼女の待遇は実の所もう既に決めていた

「……儂が育てる」

「……は？」

「じゃから、儂が育てる」

「……なっ、な……！？！？！？」

有り得ない、という目でこちらを見ている条野
まぁ予想通りだ

「いやぁ、可愛い子だからのう！儂好みに育てあげようと思ってのう！ガッハッハ！」

「はぁ？！？光源氏計画ですか！？！？」

「はっはっは、まぁな！」

「さ、最低です隊長……いえ、貴方には任せられない！！彼女は私が預かります！！」

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