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第8話 ページ8

少しだけ赤くなったAの目元と鼻の頭。

う「明日腫れると困るから少し冷やすか。」

『ヘヘっ…うん。』

冷蔵庫から小さな保冷剤を一つ取ってタオルで包む。

う「ほい、どうぞ。」

『ありがとぉ、……?このタオル、URATANUKIって書いてある…渉くんの?』

う「あぁ、それ俺のワンマンライブのグッズ。サンプル貰ったの。一応洗濯してあるから臭くはないと思うけど……新品のに取り替える?」

『え!?ぁ、違う!臭いとかじゃないし、何なら良い匂いだよ!?』

焦って両手を振るからタオルから保冷剤が落ちた。

う「っふふ…ふははははっ!!!」

あまりの焦りように思わず笑いが抑えられなかった。

『むっ…』

う「…そんな焦らなくても大丈夫だよ。俺ちゃんとAの話最後まで聞くから。ね?」

『…ん。』



伸ばした手に、Aは大人しく目を瞑った。

頭を撫でた瞬間ピクリとAの肩が跳ねたが、すぐに安心したように肩の力が抜ける。

初めて触れたAの髪はさらさらで指通りが良かった。





う「よし、せっかくだ。お肌の手入れしよう。」

『渉くん沢山持ってるんだね。』

う「はい、前髪上げて!」

俺の予備のヘアバンドを渡すと大人しくそれを付けてくれた。

う「乳液は、こう…塗るんじゃなくて、ぽんぽんって…」

乳液を染み込ませたコットンを肌に乗せて、見よう見まねでぽんぽん乳液を肌に浸透させる。

『んん…難しい…。』

う「慣れだ、慣れ!これから毎日俺と一緒に美肌目指そうぜ!」

『えぇ何それ…。』



Aは困ったように笑って、お次は小顔ローラーを手に取った。





う「おやすみ。」

『おやすみなさい。』



挨拶を済ませて各々の部屋へと入っていった。



ふぅ…何とかAと上手くやっていけそう。

ホッと一息ついて、俺はベッドに入るのであった。

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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月6日 12時

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