第6話 ページ6
坂〈んーん、急ぎの用やないんやけど近いうちにうらさん家でコラボ用の音源取りたいなぁと思って。〉
う「あー、そういえばそんな話してたなぁ。」
坂〈ちょ、忘れとったん!?たまには二人揃って録音しようって言い出したんはうらさんやんけ!〉
んもーっ!と電話の向こうで怒る坂田。多分そんなに怒ってない。
う「ごめんって。…ほら、この間浦島坂田船のグループLINEでも話したけど親戚の女の子を預かる事になったから今日まで忙しくて…。」
坂〈あぁ、何、今日からうらさん家に来たん?〉
う「そうそう。今高2だから最低でも2年間は一緒に暮らす予定。」
坂〈ふぅん…この時期に転校って大変やなぁ。〉
う「おう。」
坂〈……落ち着いたらいとこちゃんに会わせてな?〉
そうだ、コイツはこういう奴なんだ。
ワケありだと気付いてむやみに首を突っ込んでこない。アホそうに見えるのに、案外こういうところはよく気が利く。
う「…当たり前。俺の相棒と仲間達、ちゃんと紹介してぇし。」
坂〈…ん……じゃあまたね!録音は近いうちにしようね!〉
う「おぅ、またなぁ。」
ガチャッ
『お風呂上がったよ…!』
う「あったまった?」
『うん。入浴剤も凄くいい香りだった!』
う「勝手に入れちゃった。苦手だったらごめんな?」
『あっ、ううん全然…!』
近づくにつれて香る柑橘系の匂い。
俺の家のボディソープの匂い。
う「じゃあ俺入ってくる。眠かったら先に寝てて良いから。」
『うん、ありがとう。』
……パタン
一緒に住んでるんだからお礼なんて良いのに。
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まなつ(プロフ) - コメント失礼します。ただ一人の私自身を思ってくれる、本当の私を見てくれる、そんな優しい誰かがすぐそばにいる、それを気付かせてくれる誰かがいる夢主ちゃんはとても幸せですね。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月25日 23時) (レス) id: c0717d53d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゲッティ - 奇遇、私も埼玉住んでる (2020年6月13日 18時) (レス) id: 0adc01732d (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 心春さん» これは世界中で理不尽ないじめと戦う皆の話です。貴方の心に響いたのならきっと貴方も過去(現在かもしれませんが)経験がおありなのでしょう。「結局誰も助けてくれない、けれど何処かに助けてくれる大人は必ずいる」をテーマに書いておりますのでコメント嬉しいです。 (2020年5月26日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
心春 - 泣いてしまいました。夢主ちゃんの周りに素敵な方達がたくさん居て、読んでいてとてもあたたかくなりました。これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年5月26日 0時) (レス) id: dd23ca9c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - しおさん» ありがとうございます。「貴方にとって優しい世界が何処かにある」をテーマに書いておりますので伝わっていたのはとても嬉しいです。 (2020年5月24日 19時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛 | 作成日時:2019年8月6日 12時