背伸びが下手くそな俺のいとこ【うらたぬき】

第４７話 ページ47

『ただい、ま……』

結局昨日の件で「ただいま」に落ち着いてしまったので悩むことなく挨拶を済ませて玄関を開ける。
すると玄関に男物の靴。まふくんのものと………



それと、渉くんのもの。



う「おかえり、A。」

『渉くん！』

奥の部屋から顔を覗かせた渉くんに嬉しくなってそのまま駆け出すと、その前に手洗いうがい！と母親のようなことを言う渉くんのせいで渋々Uターン。





う「Aに早く会いたくて朝新幹線で帰ってきたのにAと入れ違いになっちゃったなぁ。」

『ってことは家に帰らず真っ直ぐここに来たの？』

う「だってここで待ってないとAに早く会えないだろ？」

ま「あの、イチャイチャは家に帰ってからやってもらって良いですかね？？？」

お茶を出しながらそう言ったまふまふさんは寝起きのようで少しだけ寝癖がついている。

う「世話になったな、まふ。」

『あっ、ありがとうございました！まふさん！』

ぺこり、頭を下げる。

ま「ふふ、お礼なんていらないよ。」





ま「ところでAちゃん、夏休みの予定は何かあるの？」

『とりあえず今週と再来週は夏期講習が入ってますが、それ以外は特に。』

私にはプライベートで遊ぶような友達はいない。転校先の高校にも、地元は言わずもがな。

ま「Aちゃんの学校は夏休みいつまで？」

『８月の第４日曜日までです。』

ま「そっかそっか！」

それを聞くとまふさんは嬉しそうに笑ってこう言った。



ま「それじゃあ、AtRのライブ観に来ない？」



『…え？』

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