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「まあだいたいそんな感じだった」
≪よかったじゃん、ボッチ回避出来て≫
「マジで良かったです」
RAIN電話で通話しながら本を読む。彼は前の学校の親友であり俺と同じ転生者だ。
……え? 既に言ってあるだろ『よくいる転生者』って。転生者は同じ世界に複数いる、そして世界によって定員が決まっている。この世界はかなり少なくて2人だけだそうだ。定員が多いと「思い……だした!」で回想が勝ちフラグの神クソアニメ的なことになる。
≪にしても俺、実況者詳しくないけどあの生徒会長ヤバい話しか聞かないぞ≫
「例えば?」
≪急に全校生徒で人狼ゲームするとか≫
「確かにそれはヤバい」
≪あいつも参加したらしいしマジなんだろうな≫
何故全校生徒で人狼始めたんだよ。流石に全校生徒は盛ってるだろうが……いったいどれだけ規模だったのだろうか。非常に気になるが置いておこう。
何故彼が夜写辺学園に詳しいかというと親戚というか従兄弟が去年まで中等部にいたそうだ。そしてグル氏は現在2年生。つまり1年の時点でそんなことを出来る権力があったということである。あの人怖い。
「あー明日も学校明後日も学校」
≪成績良いからいいだろ≫
「違う、そうじゃない。てか夜写辺学園頭いいから保てるか不安だわ」
≪気合いだ気合い≫
「根性論でどうにかなればいいけど」
中高何やったのかだいたいは覚えとらん。社会とかは一部除き大丈夫だけど数学みたいなのは……まだ簡単だけど。まあちゃんと復習すれば他の学生よりテストで全然いい点数とれるだろうけどな。……本来は予習なんだよなぁ。
≪あっ風呂入ってねぇ≫
「はよ入れ」
≪じゃっまたな≫
「あいよ」
通話が切れる音と共にホーム画面に戻る。壁紙は現世に存在しない幼女の皮を被ったおっさん又は悪魔が主人公のあれのイラストだ。主人公とその部下達が敬礼している。漫画の方は読んだことないのでアニメの方の絵だ。……近いうちに買う予定だったんだけどなぁ。
「…………また描くか」
転生者は自給自足が求められます。漫画でも小説でも歌でもなんでもあるものはあるけど無いものは無慈悲に無い。イラストは昔から描いてたから覚えてるシーンなんかはセリフ付きで描いたりしている。曲なんかもやり方頑張って覚えて作ったりしている。本家様には遠く及ばないが代理品としてなら上々だろう。
「ん?」
下手に帰宅部よりかは美術部とか入った方が逆にいいのか?
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作者名：ドラム缶 | 作成日時：2019年9月12日 6時
