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『はいこちら万事屋銀ちゃんです！』
「あ、新八君だ」
『Aさん…！！あなた今どこでなにやってるんですか！？』
「あ、神楽居る？」
『話聞けよ！！…居ますけど、まだ寝てます』
「そっか…じゃあ、伝言頼んで良いかな」
『わかりました』
「私、夢が叶ったよって。…あ、後この間の報酬は落ち着いたら持って行くね」
『わかりました、いつでも大丈夫ですよ！』
うん、新八君はやっぱり良い子だ。
そのあと少し世間話をして、電話を切った。
…便利だな。早めに買っておいたが良いかも。
「終わりやしたかィ」
「うん！ありがとう！」
「それじゃ、治療室に案内しまさァ」
治療室なんてあったのか。
個人でやってるって聞いたからてっきり自室でやっているのかと思ってた。
「…近頃、物騒な揉め事でもあったの？」
「なんでィ、急に」
「隊士の皆さんから微かに血の匂いがしたから」
自慢じゃないが、五感は結構鋭い方だと思ってる。
怪我を見抜くのも、私達医者の仕事だから。
「…2週間前に、テロリストどもが暴れやがってねィ」
テロリスト、は聞いたことある
確か父さんもやっつけたことあるんだっけ。
凄いよなぁ。
「…危険な連中だ、近づくなよ」
「うん、そうする」
できるだけ怪我はしたくない。
生活に支障をきたすのは好きじゃないから。
…まぁ発作で動けなかったりするけど。
「…ここでさァ、好きに使っていいぜ」
「…本当に？」
「なにを疑ってんでィ、元々ここに医者は居ねぇんだ」
…そう言われると、そうなんだけど。
でもこれはひどい。
埃は多いし、薬品もバラバラに並べてある。
中には見たことの無いものもあるみたい。
…一応布団のようなものもあるけど。
「…雑巾みたい」
とりあえず掃除がされてない。
…掃除からかな。
「ここ、好きに使っていいの？」
「あァ、かまわねェぜ」
「…わかった。掃除道具の場所は？」
「多分ここでさァ」
そう言って、戸棚を開ける。
箒、雑巾にちりとり…必要そうなのは全部あるな。
「掃除か？」
「うん。清潔じゃ無いと困るから」
まずは棚の埃からだな。
「…そうかィ、なんかあったら言えよ、いつでも駆けつける」
「頼もしいね、ありがとう」
…誰かと一緒に掃除、か。
久々で、なんか新鮮だ。
「…なに笑ってんでィ」
「ううん、新鮮だなぁって」
「新鮮？」
「ずっと一人だったから、こうして過ごせるのが嬉しくてたまらないの」
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作者名：雪林檎V2 | 作成日時：2019年1月3日 11時
