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「わ、これ美味しい…!!」


「口にあったなら何よりでさァ」


バランスもしっかり取れているし、さすが女中さんというべきだ。とりあえず美味しい。


「しかし、まさかあのチャイナ娘のお姉さんとはなあ」


「迷惑ばかりかけていますよね…。あの子、やんちゃばかりするから。心配なんです」


昔っからそうだ。
薬草を取りに行っても、言うことなんて聞いてくれた試しはない。


「…でも、杞憂でした。神楽が幸せそうに笑ってあの場所にいたことが、私は嬉しくてたまりません」


神楽の住むこの都市をこの人達が江戸を守ってくれている。


「ここはいい都市です。それもこれも、真選組のおかげでしょう?…ありがとうございます」


日本は、他国に比べて遅れているらしい。
それは本で読んだ。でも、こんな都市が遅れているだなんてありえない。


「そんな風に礼を言われたのは初めてだ…ありがとう」


「馬鹿正直で、見てるこっちがヒヤヒヤしまさァ」


「…?はい!」


正直よくわからなかったがとりあえず返事をしておいた。…これで夕食の食費が半分浮いた。半分。

あとは寝床だな…とりあえずホテルというやつをとらなければ野宿になる。それだけは避けたい。


「そー君、この辺にホテルってある?」


「んでィ、ラブホですかィ?それなら俺が連れて行ってあげまさァ」


「らぶほ…?うん、まぁいいや。とりあえず泊まるとこ探さなきゃいけなくて」


二人の顔が引きつったのがわかった。
…なんでだ。


「まさか、野宿しようなんて考えてねぇよな」


「それは避けたい」


「!そういえば、一部屋余っていた気がする。そこに泊まっていったらどうだ!!」


「そんな!!申し訳ないです!!!」


都合が良すぎやしませんか、近藤さん。
テキパキと空いてる隊士さんに指示をだしている近藤さんを見て思った。


「お客人は、ゆっくりしておいてくださいよ!!!」


その笑顔が眩しい。
真選組の人達はみんな優しくて、いい人達ばかりだなぁ。


「っゲホッ…ゴホッ」


「おい、大丈夫かィ!?」


もうしばらくこないと思っていたのに。
口に広がった血をどうすることもできず、外に吐き出してしまった。

…あーあ、やってしまったな。

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作者名:雪林檎V2 | 作成日時:2019年1月3日 11時

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