【NARUTO】愛の一族が貫く愛＜うちは一族＞ (ページ32)

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30話ページ32

サスケとサクラは、商店街周辺の様子を見る。しかし、どこを見てもAに似た人はおらず、場所を変えようか。と話し出した時。

「あんみつおかわりー！！！」

「え、今の声！！！」

サッとサスケがその声がした方向へ駆け出し、それに続いてサクラも追いかける。すると、その声の主は甘栗甘の席へ座っており、悠々とあんみつを食していた。

「…バカ、師匠がっ！！！！！」

『ぬぁっ！？！？危な！？あんみつが落ちちゃうところだったでしょーが！』

「知るか！そんなもん。良いから早く、病院に戻るぞ。」

「そうですよ、Aさん！今、イタチさんやカカシ先生もAさんの事を探しています。遅かれ早かれ、捕まっちゃいますよ！」

パチパチと左手に雷を宿らせながら、飛び込んだサスケをひょいと軽く避け、お店に被害を出さぬようにポイっと放り出す。
サスケとサクラが病院へ戻る様に説得するも、本人は未だ食べ終わっていないあんみつに舌鼓を打つ。

『慌てなさんな、お2人とも。病院は急いでも、ゆっくり行っても逃げやしないんだから。とりあえず、あんみつ食べてから、ね？』

「はぁー。…それ食べたら、行くからな。」

「ちょ、サスケくん！？！？」

『話がよく分かる様になったじゃん、サスケ！！』

「ふんっ。」

嬉しそうに弟子の成長を喜ぶAは、あんみつをゆっくり食べ終えると、両手を合わせて元気良く「ご馳走さま！！」と言い、会計を済ませる。
外で待っている2人の所へ向かうと、ニコニコとさぁ、行こう！と歩き出す。
サスケもサクラも無事にAが捕まり、素直に病院へ連行される姿に安堵を覚えた。

「そういえば、なんでAさんは病院が嫌いなんですか？？」

『んー。ちょっと色々思い出すのよ。』

「色々？？」

『そ。まぁ、長い人生色々あるから、仕方ないね～。』

不思議そうにするサクラの横で、全てを知っているサスケは複雑そうな顔を浮かべる。しかし、本人はあんみつのお陰か、けろっとした表情で気にも溜めていない様に見える。

「サスケ、サクラちゃん。」

「兄貴、師匠なら……！？！？」

「どういう、こと！？」

イタチに後ろから呼ばれ、振り返るサスケは思わず言葉を呑み込む。サクラも同じ様に振り返ると、
そこにはイタチとカカシに挟まれたAの姿があり、思わず自分の横に立っているAと後ろに立っているAを見比べる。

『どっちが本物でしょうか！！』

4人は改めてこの任務の難しさを痛感したのであった。