【NARUTO】愛の一族が貫く愛＜うちは一族＞ (ページ25)

今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:68,547 hit

23話ページ25

驚いた様にサクラとサスケがカカシへ視線を向ける一方で、イタチに関しては少し冷静な様であった。白夜は何も言わず、ただ尻尾をふわふわとカカシに寄せ、周囲の様子を伺っていた。

「それなら、カカシ先生はAさんと一緒に闘ったんですか？」

「まぁ、そういう事になるね。でも、ほとんど俺は役に立たなかった。ただ、木の上に逃がされると、後は辺り一面火の海に変わっていたよ。その時、俺は悔しくてね。守ってもらった事も、守られた自分自身についても。護りたい人を、守れる様な力が欲しいと願った時、人を守る為の力は凄く大きいと思った。サスケ、その意味がお前にも少しは、理解できる様になっただろう？」

「……あぁ。復讐に取り憑かれていた俺を救った師匠は、全てを知りながらも俺も兄貴も助けたいと、そう願っていると知った時。師匠の強さが、初めて垣間見えた気がした。」

「復讐なんて想いよりも、人を守りたい、仲間を助けたい気持ちの方が、必ず忍は強くなれる。A自身がその様にな。」

そういうと言葉を区切り、サスケとサクラの頭をポンっと撫でて、イタチを見る。アイコンタクトで合図をすると、サスケとサクラを後ろへ下げた。
白夜が唸り、牙をむき出しにして威嚇を始める。

「来るぞ。」

短く一言だけ発すると、白夜は雷を放って上から襲撃しようとしていたデイダラの鳥を落とし、更にデイダラ自身にも傷を付けさせる。

イタチとカカシは、空から降ってきたサソリに攻撃を仕掛ける。
やがて、サソリはヒルコ姿を現し、デイダラは粘土で爆発を繰り返す。
サスケとサクラは白夜に応戦してデイダラと闘い、イタチとカカシもサソリを少しずつ追い詰める。

「俺が、その醜い赤い瞳に、負ける訳無いだろうガァァァァ！！！芸術は爆発だぁぁぁぁぁ！！」

「規模がでかい！少し離れるぞ、小僧、小娘。」

「あれは分身体だ。本体を探さないといけないぞ、サスケ！！…っ！しまった！！！」

デイダラの爆発に巻き込まれない様、少し白夜とサスケは離れるも、イタチとカカシの隙をつき、サソリがサクラを捕らえ爆発から逃れられない様にする。

「もう、間に合わねぇよ。…喝！！！」

『誰も動かないで！！！』

光と共に、一瞬真っ黒な美しい髪が横切り、動けぬままデイダラの物凄い爆発音が辺りを包んだ。