【NARUTO】愛の一族が貫く愛＜うちは一族＞ (ページ24)

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22話ページ24

サクラのお陰もあってか、少しずつ逆立っていた毛も落ち着き、見えていた牙も段々と見えなくなった。

「すまない、小娘。少しばかりこの時の事を思い出そうとすると、どうしても忘れられない怒りが込み上げてな。

さて、話を戻そうか。
しがみついたところを見計らい、Aは私の事を飛ばした。仕方なく、里へ向かい走るとその道中で、2人の忍は助かった事に安堵したのか、Aについて話し始めた。

あいつならば100人という敵では、物足りない。
自分たちは、逃げる事ができて良かった。あいつの様な、裏切り者の汚い血が入ってなくて良かった。
2度と共に任務はしなくない。
暗殺されてしまえば良いのに、と。

Aが命を削って、命を懸けて闘っているその中で、闘いもしなかった奴らがそんな言葉を吐いている。何度も噛み殺してやろうと思ったが、脳裏に哀しむAの顔が浮かんでな。偶然、嫌な奴らに当たってしまったのだと。そう思い込み、何もせずに里へ送り届けたが、そいつらだけではなかった事後でを知った。

単独任務よりも少数隊での任務が増え、呼び出される機会が多くなり、里へ送り届ける度に大体の忍達が、最初の奴らと同じ事を言う。」

「そんな事があったなんて。」

「以前、暗部に居た頃に聞いた事がある。」

「…師匠は、仲間だと思っていた忍を命に代えて逃した。そして生かす事の方が難しいと、言っていた。仲間なんて、里なんて、どうしてそんなに守らなければならない。裏切っても、良かったはずだろう。」

「うちはの小僧、勘違いするな。Aはそれで良いと願ったのだ。自分が仲間だと思える存在を守る事ができ、そしてそれはAが大好きな火の国を守る事に値する。

Aは強い。国を滅ぼす事だってできよう。だが、それをしないのは必要の無い殺傷と、火の国を守る為。里のためだった。
それが里ではなく、"仲間"を守る為にその意思を表したのは、初めてに等しいからな。非常に興味深いと思ったのだ。

そしてお前たちもAの事を、本当に心配している。その違いに私は、少しばかりの面白さを感じたのさ。」

そう言うと、白夜はカカシを見やり鼻先で、つんっと突く。その行動にカカシは分かっている。と頷き、他の3人は少しばかり首を傾げた。

「…あれ？でも、逃げ出した暗部は2人でしょう？1人は敵国のスパイ、そして1人はAさん自身。もう1人はどうなったの？」

「……俺だ。」

今まで静かに聞いていたカカシが、初めて口を開いた。