14話 ページ16
サスケは辛い修行に慣れ、サクラも綱手に弟子入りし、ナルトは自来也に付いて修行の旅へ出た。
そんなある日の待機室にて。
「寂しそうね、カカシ。」
「ま、いずれ弟子達は巣立つモンだから、仕方ねーな。」
「あのねぇ、別に俺だって寂しいわけじゃないのよ。むしろそれぞれが、それぞれの師の下で頑張ってるならそれで良いじゃない。」
『…ぷっ、そうなんですか?』
「そうは、見えねぇな。」
「ホント、見えないわね。」
「見えなくても、そうなの。」
8班を担当している夕日紅と、10班を担当している猿飛アスマから同情の目で訴えられたカカシに対して、本人はいたって普通だと反論していた。
しかし、そのやりとりを聞いて思わず吹き出してしまったAに同調するように、紅とアスマがカカシに話しかける。
『じゃ、なんで読んでる本ずっと逆さまなんですか?』
「ぷっ、、、ふふっ。」
「くくっ、、はっはっはっ。」
耐えきれないと紅、アスマが笑い始め気まずそうにカカシは自分の持っている本を、チラリと確認する。読んでいるはずなのに、全く頭に入ってこなかったのは事実であり、自分が如何に動揺しているかが受け取れた。
「あのねぇ。そんなに笑わなくてもいいでしょーよ。」
『ここ最近、ずっと逆さで読んでるから耐えきれなくて。』
「よっぽど寂しいんだな、カカシ!!」
「Aから家でもって聞いた時には、信じられなかったけど。その様子だと本当みたいね。」
「はぁー。」
いつの間にか、Aと紅は仲良くなり、気が付いた時にはアスマとも仲良くなっていた。元々、社交性が高いAにとっては、仲良くなる事に時間がかかるタイプではない。
その事に関しては、紅にもアスマにも感謝しているし、Aの楽しそうな笑顔が見れる回数が増える分には、好ましいの一言に尽きる。
しかし、だからと言って今この状況が好ましいものでは無い事ぐらいカカシにも察しがついている。
『ちょ、!?カカシさん!?』
「ちょっと来て。」
「あらあら。いってらっしゃい。」
「気を付けろよ〜。」
『え、う、嘘ぉ!?!?裏切り者ぉぉぉ!!』
Aの手を取り、待機室を出ようとすると、Aもまずいと感じたのか、紅とアスマに助けてと懇願する。
しかし、それは呆気なく2人から手を振られる事で助けてもらえないと分かり、悲鳴に変わった。
次の瞬間には、待機室からカカシとA、2人の姿は消えているのであった。
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かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(*^^*) (2022年5月23日 23時) (レス) @page40 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たろ | 作成日時:2019年2月25日 22時