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『えっと……初め、まして…?』
恐る恐る答えると幽霊は優しく微笑んだ
『あー…何個か聞いていい、ですか?』
「良いよ」
『まず、何とお呼びすれば…』
「……そらる。そらるって呼んで」
少し考えた様な素振りを見せ、また微笑む
その笑顔が和やかで、幽霊って事を忘れそうなくらいに。
『そらるさんは…ここに住み着いてるんですよね?』
そ「そうだよ。人間界の方が居心地良いんだよね」
幽霊らしからぬ発言を聞き流して、肝心な質問に参る。
『何であんな驚かす様な事したんですか…』
そ「最初はちょっと驚かすだけのつもりだったんだよ。でもあまりにも驚く姿が面白かったから、ついつい」
てへ、とでも言いたげな顔で目線を逸らすそらるさん
『あの夜に涙を拭ってくれたのはそらるさんで間違いないですよね?』
そ「…うん。やり過ぎたって後悔してた。ごめん」
…嘘はついてないか
さて、次が最後の質問。
『そらるさんは…死神?』
そ「んー…その質問の答えは微妙かな。」
??
どういう事だろう
首を傾げると、そらるさんは付け足すように呟いた
そ「この鎌は人間から魂を奪う事なんて出来ないし、そもそも死神は神様だからね。」
『え、じゃあ何でその鎌持ってるんですか』
そ「…護身用?」
『え゛っ』
そ「突然襲いかかってくる霊とかが居るんだよ。」
『なるほど…??』
この状況に溶け込めてる私ほんと凄すぎないか??
…それで。
『これからどうしますか』
そ「んー…もうバラしちゃったからなぁ。ここも中々良かったけど、次…」
待て待て待てこの人(人ではない)、出て行こうとしてないか?
それはそれで寂しいからやめて欲しい
『あ!は、はい!』
そ「ん?」
『うち…居ません、か…?』
自信がなくなり途中から声がか細くなった
そらるさんは目を見開いた。が、直後に首を傾げた
そ「…良いの?俺、幽霊だよ?」
『元々住み着いてたくせに』
そ「先に住んでたのは俺」
『あっ……』
再び目線を合わせ、お互いの目元が緩む。
そ「じゃあ、宜しく」
今日一の満面の笑みで。
『宜しくお願いします!』
生まれて初めて、同居霊が出来ました。
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遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 懐かしい作品を読みたいなあって思っててお気に入りの下の方見たらこの作品が.....ほんっといつみても面白いです、流石。。応援してます!!!! (2023年3月2日 18時) (レス) @page30 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
りう。 - わたつきさん» 画面の一番下にパスワード入れたら別垢でも編集出来ますよ!! (2021年12月31日 18時) (レス) @page27 id: c0a5bb6844 (このIDを非表示/違反報告)
わたつき - 更新したいんですけどどうしよ〜〜〜〜〜〜〜 (2021年9月16日 21時) (レス) id: 33e0c49abd (このIDを非表示/違反報告)
わたつき - ログインできなくなったと思ったら垢消えてた。わーお、Riaです (2021年9月16日 21時) (レス) id: 33e0c49abd (このIDを非表示/違反報告)
ひきねこ - 白髪のヴァンパイアはluzくんでピンク髪の魔女はなるせさん(英語の分からなかった)かな…? (2020年9月23日 22時) (レス) id: b9ac26b4ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮見 x他1人 | 作成日時:2020年5月21日 21時