第5話 ページ44
A「それ、誰も食わねぇ感じ?」
イルカ「あぁ。食うか?」
A「もったいないし、食うよ」
イルカ「あぁ」
イルカさんの隣に座り、
パチンと割り箸を割る。
A「で?何があったの」
麺をすすりながら
イルカさんをチラリと見遣れば、
彼は酷く思い詰めたような表情で
自分のラーメンをじっと見つめていた。
イルカ「いや、あいつが『上忍の推薦願書を書いてほしい』と言ってきてな?俺は『中忍にもなってないお前が上忍になれるわけがない』って断ったんだ......」
それから先刻の出来事を大まかに聞き、
私は胸がきゅうと痛くなった。
産まれたときから
家族を持たないナルトにとって、
やはりあの光景は
刺激が強過ぎたようだ。
A「ま、あいつなりに構ってほしかったんだろうよ、あんたに」
イルカ「え?」
A「それに、焦りもある。“同期たちはみんな中忍なのに、なんで俺だけ中忍じゃねぇんだ”ってさ」
イルカ「それは......」
A「あんたの言い分も分かるけどさ、ただ年頃ながらに寂しさを感じてるだけなんだって。
あいつの気まぐれだよ」
イルカ「年頃、か」
A「ん。じゃあ、そろそろ行くよ。今のあいつを一人にはさせらんねぇからさ」
ポケットから財布を取り出し、
ナルトが出した分の足りないお金を補う。
イルカ「なんか、ありがとうな」
それをテウチさんに渡し、
会計を済ませた。
A「んー?」
イルカ「いや、なんとなくだ。あと、ナルトを頼んだぞ」
A「変な奴。
ま、そうだね。素直に頼まれとくよ」
ごちそうさんでしたー、と一声掛けて
一楽を出た私は、
ナルトの術式クナイに向かって
飛雷神を発動させた。
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NASHI(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん、コメントありがとうございます!最高の褒め言葉です! (2021年9月21日 0時) (レス) id: 6c37ac4e06 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - タブレットで操作しています!はじめまして!とっても素晴らしいです!高評価しました! (2021年9月10日 9時) (レス) id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NASHI | 作成日時:2018年1月13日 11時