【マギ】拝啓、俺の家族へ。 【練紅炎】

はじめまして、末っ子さん。 ページ8

ーーーーーーーーーー

「 俺の子供ならとっとと産まれてこい！！ 」



父の一言にその場にいたみんなが父を見上げた。
母も苦しみながらも父を見て笑っていた。

ああ、お父さん。 やめてください、恥ずかしいです。 と思いつつも母の中にいた子が産声をあげて産まれてきた。


「さ、さすが、 炎帝だねぇ。 もう、産まれてきたしぃ」


「さすが、俺の息子だ。」


息子かぁ、僕の弟になるのか… は？
父の一言にまたもや僕は目を見開いた。 本当に弟が産まれてきた。

あの日、僕が思いがけない言葉を発したために ごめんよ、僕の弟。


「由紀、おいで。」

「… う、うん。 」


母の腕に抱かれる僕の弟は紅覇兄に聞いていた猿のような顔をしていなくて、白い肌にほんのり染まる頬が目に映る。


「… 可愛い。 」


「 由紀も可愛いですよ。 」


母から受け取り腕には小さな弟を抱き寄せる。 すやすやと眠る弟は見てるだけでニヤケが止まらなかった。


「ああ、名前は決めてるぞ。 俺がこの三日間寝ずに決めたからな。 」

やめてください、父上。 せめて、寝ろ。 と思いつつも弟に目をやるとにぱぁっと笑っており思わず自分も笑いそうになってしまった。


「名前はなんていうのですか？」




「 遥(はる) 由紀には紅という文字が入ってないから入れるのは躊躇ったんだ。 」




その日、僕に 遥 という弟が産まれました。




.

弟が産まれて幸せです。→←そこが愛しいですけれど。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す