立花彩の片割れ part3

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彩side

私は次の日普通に目覚め、普通に秀明に行き、普通に授業を受け、普通に帰ってきた。



特に変わったこともなかったし、誰かと話すってこともなかった。



んー、なんて言うかな、刺激が無いというか、ただ普通に時間が過ぎ、

私達も当たり前のようにその時間を過ごす、“日常”が、少しつまらなかった。



だって私は本来なら“非日常”を過ごす者。



そもそも、魔女が人間界で過ごしている時点で“非日常”なのだ。



けど今日は、私が魔女だと知らされる前、いや、もっと前、

kzと出会う前の、ただスケジュールをこなすだけの“日常”に戻ったような気がした。



良く考えればkzも充分“非日常”だった。



そして今は存在自体がイレギュラー。



勿論イレギュラーの“日常”は普通じゃない。



“非日常”だ。



“非日常”の中に長いこといた私は、もはや“非日常”が“日常”になっていて、

世間のいう“日常”は私にとって“非日常”となっていた。



家に着く。



申し訳なるくらい豪華な昼食。



これも昔の私にとっては“非日常”。




彩｢藍、今日はどうしたの？｣




それでいい。割り切っている筈なのに。




藍｢…彩、大変だと思うんだけど、新しい魔法を覚えて欲しいの。｣




何処か、人間離れしている自分が怖くなることがある。




藍｢今までのより遥かに難易度が高い。
体力も消耗する。
だけど、今回の事で使うかもしれない。｣




世間のいう“非日常”を求めている自分が怖くなる。




藍｢…お願い出来る？｣




でも、後戻りは出来ないから。




彩｢勿論。｣

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