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彩side

藍「…彩。

急なんだけど私、小鈴ちゃんと2人で話したいことがある。

だから…」



そこまで藍が言った時、私は察した。



強くいえば、席を外せということだと思う。



彩「…近いうちに話してね。」



藍の目に涙が溜まる。



藍「…きっと、話す、からっ、!」



透明の涙が溢れ出し、藍の頬をつたった。



藍だって、迷ったんだ。



迷ってるんだ。



だから私は、妹として、協力しないといけない。



私に出来ることをするんだ。



今は、藍の言うとうりに動こう。



彩「じゃ、ね。」



そう言って、私は病室を出た。



暫くして、私(と藍)の部屋にノックの音が響いた。



藍だろうか。



一瞬そう思ったけど、すぐに、いや、違うと感じた。



今の藍に、そんな暇はないんじゃないか。



そう思った。



案の定、ドアを開けると、そこに立っていたのは小鈴ちゃんだった。



どうやら泣いていたらしく、目が少し腫れている。



彩「入っていいよ。」



小鈴ちゃんは中に入り、ベットに腰掛けた。



そこは、小鈴ちゃんがここに泊まっている間、小鈴ちゃんの定位置になっていた。



私はその隣に座った。



彩「大丈夫?」



小鈴ちゃんは話せと言っているのかと思ったのか、焦ったように、申し訳なさそうに言った。



崎「あ、あの、まだ…」



私はそれを遮るように言った。



彩「話せないよね。藍がそう言ったんだよね。」



小鈴ちゃんはうつむく。



小鈴ちゃんも、藍も、何も悪くない。



誰も悪くないよ。



彩「私は、話を聞いてあげることは出来ない。だけど、小鈴ちゃんの涙は受け入れられるよ。」



崎「へ…?」



そう、私はこれくらいしか出来ない。



ごめんね。



私は小鈴ちゃんに微笑みかける。



彩「泣いていいよ。」



そう言うと、小鈴ちゃんはわっと声を上げて泣きはじめた。

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りぃあ♪#(プロフ) - 未麗さん» わああありがとうございます!作品がまだ生きていることが嬉しいです…笑 (2022年6月20日 0時) (レス) id: f0d7ca6b29 (このIDを非表示/違反報告)
未麗 - 藍ちゃん可愛かったです。あ、あとあと作者様の想像力がすごかったです‼ (2022年3月27日 10時) (レス) @page21 id: 1aa17b468f (このIDを非表示/違反報告)
りぃあ♪# - 華菜原 舞衣さん» ありがとうございます!そうですりぃなさんです!誤字の指摘、ありがとうございます。読んでくださりありがとうございました! (2020年8月24日 16時) (レス) id: 77648adcbf (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - すっごく、おもしろかったですっ!あの、かなり前のことなのですが、あなたの名前の一文字違いって、りぃなさんじゃないですか?まちがってたら、すみません。あと、パート2の、50話あたりの誤字です。気ずく→気づく、三ツ矢→三ツ谷、です。サイダーです、それじゃ (2020年8月21日 14時) (レス) id: daa172df0e (このIDを非表示/違反報告)
りぃあ♪# - 夜桜杏奈さん» ありがとう!じゃあ杏ちゃんって呼ぶね!今度杏ちゃんの作品にもお邪魔します(´˘`*)改めて、よろしくね! (2020年4月11日 21時) (レス) id: 77648adcbf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りぃあ♪# | 作成日時:2020年1月7日 20時

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