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｢妖よ 要望通り双子の兄を連れてきてやったわ。1人で立てもせぬような脆弱者など貴様とは似ても似つかぬ｣
｢貴様、雪親に何か手出ししたんじゃないだろうな。だとしたら許さんぞ 千里眼など使ってやらない｣
｢それを見越して何も手出ししておらぬわ。初めから弱っておったのよ｣
入れよ、と命じれば両脇を抱えられた雪親が半ば投げられるように入れられる。
慌てて支えた体は軽く そして少し力を込めれば簡単に折れそうなほど細かった。以前と比べて明らかに。
｢雪親！！｣
｢…月親、元気そう。良かった｣
｢こんなに弱ってしまって……！
毛利 貴様、雪親は丁重に扱え。万が一死ぬようなことがあれば千里眼も無くすと思え これは脅しではない、いいな｣
羽織を包むように雪親に掛け、抱き締めて元就を睨みつけた月親。鋭い目に迷いはなく “万が一”を起こしてしまえば実行するだろう。
元就はせっかく手に入れた優秀な駒を無下にするような愚か者ではない。最大限に使わなければ。
｢……良かろう。だが基本的な世話は貴様がせよ｣
｢ふん、頼まれても触らせるものか｣
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作者名：クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2018年8月10日 21時
