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「何がだ?」
「あんなふうに走れるのが。僕、走ったらすぐ苦しくなっちゃうから」
「…お前はその辺りが不得手なだけさ。代わりにほら、頭は誰よりも良いだろう?」
「……ありがとう」
走ることだけではない。はしゃぐのも、矢継ぎ早に喋るのも、雪親の身体にとっては負担だった。
主治医には「ここまで生きて来られたのは奇跡」とまで言われるほどに脆弱な身体は生きるにおいて制限が多過ぎるのだ。
ドクターストップとまではいかないが、“やらない方がいい”に尽きる。
「……僕、なんでこうなんだろう」
「そう言うな。ほら アニマルセラピーだ」
「わぷっ」
もふっと顔に乗せられた子犬。両手で抱き上げるように剥がせばキラキラした瞳がこちらを見ていた。
「キャン!」
「…んふふ、かわいいなぁ」
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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年8月10日 21時