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「弾を取り除いて血を拭った。あとはお前が連れて帰るだけだ、元親」
「…ありがとうよ家康。そうだよなぁ、こんなに優しいお前が四国を襲うわけなんざなかったんだ」
月親、とすっかり冷たい白狼を撫でる。
「よく頑張ったな ゆっくり休めよ」
「もうワシと三成で決着をつけるだけだ、良かったら…」
「ああ、帰るさ 雪親も迎えに行かねぇとな」
白狼を抱きあげようとすれば、雪から引き上げるかのように人間の姿の月親が現れた。
驚いたが穏やかな死に顔に微笑む。立派な最期だった。
「お前なぁ…雪親が泣いちまうだろうが。ったく仕方ねぇなあ
姫だってのに誰よりも武将らしいぜ 月親」
なんとなく“予感”はしているが理解しないフリをする。
ずっと一緒だった双子だ、今までそうだったようにこれからも一緒にいるのだろう。
雪親は月親が独りが嫌いなのを知っていて、月親は雪親が独りになるのを嫌がって。
連れて行ってしまったのはどちらか。
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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年8月10日 21時