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「掛かれ皆の者!!妖であろうとも所詮は犬畜生、恐るるに足らんわ!」

「邪魔だ貴様らァ!!!」

爪で切り裂き、牙で噛み砕く。

邪魔、邪魔、邪魔。雪親を生かすのに大いに邪魔。

雑魚に用はない。目指すは東軍大将、徳川家康の首だ。それさえあれば雪親は殺されないのだ。

血溜まりと肉塊、兵だったものの真ん中で唸る白狼。刀を持つ者は近寄ることが出来ない。

「じ、銃を持て!数さえ撃てば避けられまい!」


「させねぇよ!!!」

見知った声と共に炎が東軍の兵を包む。間違いない、間違えようもない、元親のものだ。

沸騰しているようだった心が静まっていく。


「月親…!!お前、今までにどこに…いや、何でここにいる?
この辺はあらかた蹴散らした、聞かせてくれや」


「…あに、うえ」


「家康の野郎……四国もろとも雪親を殺しやがってタダじゃおかねえ!!骨も残してやらねえよ!!」


「ちがう、ちがいます、兄上!!違うのです、徳川家康様ではないのです、雪親は、ああ…雪親が、雪親は!」

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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年8月10日 21時

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