〃 ページ7
銀さんを着替えてこいと再び蹴っ飛ばしたその人は、簡単に部屋を片すと向かいのソファに座る。
『自己紹介が遅れました、私は古賀透。万事屋の家政婦...お手伝いさんとでも思ってください。』
「あ、僕は志村新八です!よろしくお願いします。あの、じゃ従業員ではないんですか?えっと...」
『呼び方はご自由に。まぁそうですね、ここではせいぜい家事と金の管理、家賃の支払いぐらいしかしてません。あと客のおもてなしとか。』
ぺこっと頭を下げて挨拶し、銀さんが来るまで透さん(自由に呼んで構わないと言われたから)が履歴書を確認し始めた。
...なんか十分ここで働いていると思うのは僕だけか?あとなんでこの人が家賃払ってんの、可笑しいだろ。
『家政婦と言ったけど私も依頼している身でして、依頼料の代わりに家賃の支払いやその他などを手伝っているんです。本職は別にあります。』
「ああ、なるほど..ってえ?!」
『表情に出てます...、剣術道場の出ですか。』
「!あっ、はい。でも廃刀令のご時世で、門下生がいなくなっちゃって...」
『(まぁ、道場とかは維持費もかかるからなぁ)...親族は姉だけですか?』
「はい。」
『お姉さんもどこか稼ぎに?』
「えっと、今勤め先を探してて...」
姉上が夜の仕事(水商売)も考え始めているのを思い出して気が滅入る。でも「同じ苦しい思いをするなら、守るために苦しみたい」と覚悟を決めて前に進んでいるのだから、僕がとやかく言えることじゃないな、と顔を上げたら...透さんは携帯電話を取り出してどこかにかけ始めた。
『もしもし?志村さんのお宅ですか?万事屋銀ちゃんで家政婦をしております古賀と申します。今、弟君からお話を伺いまして―――はい、はい。失礼します」
ぴ。と通話を切った透さんの言葉を脳内で反芻する。
「あの、今のって」
『私の知り合い二人が恋仲なって寿退社した店があるんです。ホステスとそこの用心棒なんですけど環境も待遇も給料も悪くない店だからどうかと思って。下手な店に捕まっちゃ君の気が休まらないでしょう?』
そう言って透さんはメモ帳にさっき姉上に紹介したお店の住所と電話番号を書く。その下にさらさらっと何か文字のような、模様のようなもの一緒に書き込むと僕に渡してきた。
『勤めたいって言ったらそこに電話して、面接の時そのメモ見せて店長に私の紹介だって伝えて。』
「あ、ありがとうございます」
(それに私がいると気が散って働かないらしいです。)
(...)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時