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ハッキリ言って訳がわからない。
先ほどまで尸魂界にいた私は尸魂界におらず、あの一瞬で何が起こったのか全く理解出来なかった。
周りを見渡すと家と家の間にある裏道なのか視界に入る情報は少なく、呆然と立っていた私は恐る恐る足を動かす。
脇道の向こうには多くの人が行き来しているのかえらく騒がしかった。
そこに向かって歩いている途中、ふと足を止める。
可笑しい。
何も理解出来ずに再び明るい方へ歩く。
すると段々と見えてきた風景に息がつまった。
何もかもおかしい。
人間じゃない何かが二足歩行で歩いている。人を見つけても着物を着ている人が多いのも謎で、気丈に振る舞っていた私はとうとう限界が来たのか、その場に座り込んでしまった。
『…』
ただ漠然と孤独を感じ、絶望という文字を脳裏にかすめる。
死神である以前に霊魂であるため、まだそんな長くは生きていないだろうけど、それでも人生とは何なのかぐらいは知った頃だと思っていた。
でも頭に占めるのはこの先どうしたら良いのか分からないことだけ。
一体どうしたら私は戻れるのか。そもそも夢ではないのか。
夢であってほしいという願望は虚しくも、肌で感じる風は、人混みなどの雑音は、地面に座っている時の感覚は、紛れもなく本物である。
行動する気もなくし忙しそうに歩いている人間を目で追っていると背後から肩を叩かれ、まさかと思い、ゆっくりと振り向く。そしてもう一度、衝撃を受けた。
表で歩いていた化け物ではなく着物を着た、高齢の渋い女性が私の目線に合わせるようにしゃがんだのだ。
「んじゃババアがあんたを拾ったってことか」
『そう言うことですね。ただでさえお腹空いていたんですけどタダ飯まで頂いてもらって...まぁ私に話しかけたということ自体は衝撃と恐怖でしたけど...』
「そう言うのはもういいって...じゃここ紹介したのもババアって訳ね」
『はい』
どうやら
(依頼は二つあるんですけど...いいですか?)
(金さえ払えばだけどな)
まぁ『お金さえ払えばなんでもしてくれるところ』という私の見解は間違っていなかったようだし...。問題は“なんでも”の範囲だけ。
一か八か...
そう覚悟して、口を開いた。
『あと、私を泊めてください』
「...ハァァア!?」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時