疲れたときは酸っぱいものっていうけどボクはゼリー派。 ページ25
「ワン」
目を開けるとそこには白い何かがいた。
犬と思われる息継ぎの音。しかし、犬にしてはデカすぎる。
『?』
白い。白くて、デカい。犬。
...ナニコレ。つーかどっかで見たことあるような――
「定春メーッ! そいつは食べちゃダメアル、万事屋切手の金ヅ……透様ネ!!」
今完全に金ヅルって言いかけたよね。どーも妙に懐くと思ったら、段々坂田さんに似てきてるよキミ。
はなれてー! とグイグイと私から定春を引き離そうとする娘さん。
最初は一体何の寝起きドッキリかと思ったが、どうやら違ったようだ。
眠気が残り、未だ重く感じる身体を動かして定春?の背後を見てみると、そこには地面に這いつくばった坂田さんと仰向けに倒れている助手の姿。
そういえば昼間、公園に来たときからの記憶がない。
ベンチに座ってゼリー食べて・・・そのまま寝オチか。財布とかすられてないよね?
上着の裏ポケットを確認すると無事だった。カードも全て揃っている。
例のストーカー事件から数日。
その間、結構万事屋の周りには「イベント」とやらは起きたらしいが、私はほとんどそれには関わることはしなかった。
正直もうこれ以上の面倒事は御免だけど、万事屋の諸君は関係のない私まで巻き込む。勘弁してくれ。
「アン!!」
うぉぅ、こんな近距離で吼えないでくれ定春くんとやら。耳がキーンとくる。
『あの、坂田さん? この犬どうしたんですかー』
「あぁ、いやちょっと飼い主探しをだな・・・」
蚊の鳴くような声だった。
ここまで坂田さんを消耗させるとは、やるな定春くん。
「定春はどこにもやらないアルよ銀ちゃん!!」
「だから・・・それは無理だと一体何度・・・・・・」
ぐふっ、と今度こそ力尽きる坂田さん。
あれ、なんで倒れてるの?
「やっぱり金の匂いアルな・・・公園に来て真っ先にとーやんトコ行ったアル。あ、私酢昆布食べたいネ透様!!ほら、早く金渡すヨロシ」
『様付けしたらなんでも許されるとでも思ってたのキミ。あととーやんって何。あだ名?』
金欠生活が少女をここまで金に執着させるように仕立て上げたのか・・・万事屋って本当にギリギリやってるんだねー家賃ちゃんと払ってあげてるのに。どうせパチンコ屋でドブに捨てるだろうけど。
そのとき、ぐわっと定春くんが私に向けて口を開けた。
...あれ、食べられちゃうの私?
んー、実際にやったことないけど試してみるか。
『待て』
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時