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 そのままの勢いで横っ面をぶっ叩かれたストーカーは、砂利の上を滑るように転がっていく。
 坂田さんは腰に助手くんの木刀を差しながらクツクツと笑って、倒れたままのストーカーへ近付いた。


「甘ェ・・・天津甘栗より甘ェ。敵から得物借りるなんざよォ〜」


 まあー、確かに。今日初めて会った得体の知れない、それも敵だきだと(一方的に)認識した人の物を借りるなんて。素直なのか、馬鹿なのか。

 坂田さんがストーカーに渡した得物、洞爺湖の先がなくて当然だ。



「厠で削っといた。ブン回しただけで折れるぐらいにな」


 あの人の性格上、こんな茶番で真剣になるなんて大きな誤算だ。
 それに、たとえ彼が坂田さんと真剣にやりあったとしても確実に負ける。
 腕が立つといっても戦場に立った彼に比べれば、まだまだ経験不足は補えないだろうし。が、まともに刀を交えたくはなかったんだろう。



「貴様ァ、そこまでやるか!」
「こんなことのために誰かが何かを失うのはバカげてるぜ。全て丸くおさめるにゃコイツが一番だろ」


 坂田さんがニヤリと馬鹿にしたように笑ってやれば「コレ・・・丸いか?」とだけ言い残してストーカーは白目を剥いた。

 まあー逆にこれでよかったんじゃない?本気で勝負して負けたら、キミの元には惚れた女も、幕臣としての名誉もなくなっちゃうんだし。
 どこぞの侍に負けても、あんな卑怯なやり口で負けたら君に泥は被んないでしょ。



「どうだい。この鮮やかな手ぐっちゃぶァ!!』




 助手くんと娘さんの跳び蹴りが炸裂した。
 卑怯だ何だと貶され続け、鮮やかに勝った筈なのにボロボロになった坂田さん。
 そんな彼を見向きもせず去ってしまった二人に代わって、ふらふらと覚束ない足取りで立ち上がった彼の元へ降りた。



『ストーカーに一発入れるだけで他は誰も傷つかないような算段だったのにボロボロですね、坂田さん』
「ホントだよッたく・・・なんでこんな惨めな気分?」


 真っ直ぐだった。真っ直ぐすぎて共に過ごした彼らを思い出した。
 真っ直ぐ、彼だけを見てきた。その目がつい、重なってしまった。




『眩しいですねえ』
「・・・そーだな」


 真っ直ぐなあの眼は、やはり眩しい
 ストーカーという悪行に走ってはいるが、あの真っ直ぐな眼を、志を、潰すことにはしたくなかったんだろう、この不器用な男は。




 そして、私たちはストーカーを置いて河原を後にした。
 ストーカー何て知るか。

疲れたときは酸っぱいものっていうけどボクはゼリー派。→←〃


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ラッキーカラー

あずきいろ


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設定タグ:銀魂 , BLEACH , 原作改変あり   
作品ジャンル:恋愛
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クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時

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