〃 ページ23
「お妙の代わりに俺の命を賭ける。てめーが勝ってもお妙はお前のモンにならねーが、邪魔な俺は消える。後は口説くなりなんなり好きにすりゃいい。アイツだって、自分から身を引くだろうよ。勿論、俺が勝ったらお妙からは手ェ引いてもらうし、透にも関わらないでもらう。」
わあ、最もらしい。
果たして、この真っ直ぐな男はノってくれるだろうが。
「ちょっ、止めなさい!!銀さん!!」
橋の上から叫んで止めたのは志村さんだ。
流石お人好し。自分で巻き込んでおいてアレだが、重大な事には黙って笑えないらしい。
『まあー大丈夫ですよ、志村さん』
「え・・・?」
クッとストーカーが笑った。坂田さんを見て、ニヤリと笑みを浮かべた。
「い〜男だな、お前」
急に何を言い出すかと思えば。
いや、でもいい流れだ。
「お妙さんが惚れるはずだ。いや・・・
ガシャン、と音を立てて砂利の上に持っていた真剣を落とした。
「小僧、お前の木刀を貸せ」
橋を見上げ、助手くんの持っている木刀を寄越すように言ったゴリラに坂田さんは洞爺湖を投げてやった。
「てめーもいい男じゃねーか。使えよ、俺の自慢の愛刀だ」
ストーカーが坂田さんの投げた木刀を拾い上げるのを確認して、口角をあげる。
橋の上から助手くんに「銀さん」と呼ばれ、投げられた木刀を受け取る坂田さん。
「勝っても負けてもお互い遺恨はなさそーだな」
「ああ、純粋に男として勝負しよう」
いい構えで木刀を向けられる。
『だってあの坂田さんが・・・』
「いざ!!」
「尋常に」
「勝負!!」
『こんなことのために真剣になるわけないでしょ?』
「あれ?」
予想通り、真剣な場面でストーカーはまぬけな声を出した。そしてそのまま振り上げた自身の木刀を見る。
そこには何もない。あったはずの木刀の先が。
「あれェェェェェェ!?ちょっと待て先っちょが・・・」
冷や汗をダラダラ浮かべ、信じられない表情で木刀と坂田さんを見比べるストーカーに助手くんの木刀を振りかざす坂田さん。
「ねェェェェェェェェェェェェェェ!!」
彼はそのままの勢いでストーカーの横っ面をぶっ叩いた。
結構思い切り叩いたみたい。左頬が腫れている。
『ほらねえ、言った通りでしょ?』
「...ふふっ、本当。不器用な人。」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時