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「よけいなウソ、つかなきゃよかったわ。なんだか、かえって大変な状況になってる気が・・・」
現在、坂田さんを除く私達四人は河原の橋の上で坂田さんが来るのを待っていた。
ていうか後悔するつもりなら最初から嘘つかないでください。それにもう遅いです。
つーか私女だよ?フードかぶってても声で分かるでしょ。勘違いするの要素どこにあるの、あのストーカー。
「それにあの人、多分強い・・・。決闘を前にあの落ち着きぶりは、何度も死線をくぐり抜けてきた証拠よ。」
「心配いらないヨ。銀ちゃんピンチの時は、私の傘が火を吹くネ、姉御。」
ガシャコン、と傘を鳴らしながら言う娘さん。
まあー、でもあのストーカーは幕臣。それも親の臑齧りのボンボン警察じゃない。恐らく成り上がりだね。田舎から上京してきた芋侍ってところかな。腕も立つのだろう。
それにあんなストーカーをするくらいだ。すぐ伸されてくれる粘り強さではないだろうし。
「おい!!アイツはどーした!?」
「あー、なんか厠いってくるって言ってました。」
そーいや、厠に行ってくると言って抜け出せば、助手くんに「絶対来て下さいね」と半ば脅されてたっけ、あの人。ここぞという時にシスコン力を発揮しているなあー。姉のピンチには弟有りってか。
ザッ。
『あ、来た。』
「遅いぞ大の方か!!」
「主人公が大なんてするわけねーだろ。糖の方だ」
「糖尿に侵された主人公なんてきいたことねーよ!!」
ご尤も。自分を主人公と名乗る主人公も見たことないけど。
するとストーカーはすぐ真剣な顔つきで坂田さんを見つめた。
「得物はどうする?真剣が使いたければ貸すぞ。お前の好きにしろ」
・・・ああ真っ直ぐだ。真っ直ぐ、前だけ見てる眼だ。上から見ていても分かる。坂田さんと同じ土俵で勝負しようとするこの男は真っ直ぐすぎる。
坂田さんもそれが分かるみたいだ。思わず上がりそうな口角を引き締めている。
「俺ァ
腰にさす木刀、洞爺湖を握ってその存在を顕わにする。
まさか木刀でやるなんて言い出すとは思わなかったんだろう。ストーカーは顔をしかめた。
「なめてるのか貴様」
「ワリーが人の人生賭けて勝負できる程大層な人間じゃないんでね。代わりと言っちゃ何だが、俺の命を賭けよう」
・・・果たして、この真っ直ぐな男は坂田さんの誘いにノってくれるだろうが。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時