〃 ページ17
あの爆弾事件が終わり、取調べを受けてから一日半が経ったらしい。
肝心の主要人物、万事屋一行は少なくとも一日半待たないと取調べ室から出てこれないとのことだ。
まぁ、監視カメラにばっちり映っちゃってるからなー。照明しようにも証拠がないし、苦労するだろうねー。
□
「オ〜イ、そこの嬢ちゃん。金に困ってねぇか。ちょっとオジさんの頼みごと、聞いてくんないかなぁ?」
顔を上げると片手に拳銃を持ち、サングラスをかけたいかにも「ヤ」のつきそうな人が立っていた。
しかしその服装はまごうことなき特殊警察部隊・真選組の制服。
よくよく見るとその背後には真っ黒で高級そうな車が停めてあった。中に誰かいるらしいが、顔は暗くてよく分からない。
・・・・・・ここにきて約一週間
自分の常識が通じない世界であることや、時代背景が無茶苦茶であることなど、一度に入ってく る大量の情報だけで手一杯になり未だに前進していなかった。
憔悴しきっていた私は丁度公園に通りかかり、園内にあったベンチに座って一息つく。
そんな折に見つかった。
日が沈み、辺りが薄暗くなってきた頃のこと。
・・・私の姿を見ても、早々近寄るどころか話しかける奴さえいないと思っていたのだが。
――だが、しかし。
私は目の前――正確には1、2メートルほど離れている場所――に立っている人物を識しっている。
何よりの確証、今こめかみを銃弾が掠めていった。唐突だなーオイ。
「ねぇちょっと聞いてる? 無視するなんてひどいなぁ〜」
『用は』
私が口を開いたのに驚いたのか、それとも声が女だったのが意外だったのか――どちらにせよ、そこでその人、松平片栗虎さんは銃を下ろした。
「・・・お前さん、最近耳に聞く『用心棒』ってやつだろ? 相当腕が良いって話じゃねぇか。少し興味が湧いてな、わざわざウチの部下使って調べ回させたところ、ここにいるって聞いてオジさん会いに来ちまったってワケよ」
『用は』
「急かすなよ。別に急がなくちゃいけねぇ理由なんてないだろ? ・・・なに、報酬は弾むさ。何せこの国のトップなんだからぁな」
この国のトップ――てことは。
松平の背後の車の後ろ扉が開かれる。
今まで車の座席に座っていたのは。
そしてそこから出てきたのは。
「征夷大将軍、徳川茂々。そちが腕の良い『ようじんぼう』、という者か」
将軍かよオオ!!
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時