<ーー落ちてゆくーー> ページ1
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一寸先も見えない暗闇の中で足を踏み出しながら考える。
ああ...本当は。悪くはなかったと思うんですよ。
今まで刻んできた君との時間。全て振り切ることに未練がない、とは流石に言えないけど。かなり良い人生を送ったと自負することができそうだから。
徐々に崩れていく視界の向こうは、私を見て泣きながらも笑っている顔が見えた。その姿が彼女と似ていて、私は、彼に応じるかのよう口元に笑みを浮かべた。もう二度と見られない顔に向かって笑ってみると、胸がすっとした。ぼんやりと、嬉しい気持ちが染み込む。
『...ぃ、ご』
冗談まじりの笑みが溢れる。その不器用な笑顔の向こうで、君が何を考えているのか。純粋で分かりやすい、そんな君のそばを離れる事実に、ただただ笑うだけ。
さようなら、私の家族よ。
太陽のような彼女のために生きてきた。でも、そんな彼女も死んで、私も君を残したまま去っていくけど、君は生き続けて。 私の分まで、全部。
太陽みたいなオレンジ色の髪とぶっきらぼうで無愛想に見える一見に対して、義理堅く争いを好まない心優しい性格が隠されていることを私は知っている。どうせ別れるなら、胸の内に抱えて生きて欲しい。今までそうしてきたように、ただ君の道だけを歩んで行って。
大丈夫。
君はもう、あの頃みたいな一人ではない。
大丈夫。
共に笑いあえる「仲間」が出来た君なら
『...大丈夫。』
私が、
愛した君なら。
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『――ってな夢を見たような気がします。』
「いや、誰も夢のこと聞いてないから。依頼したんならそれに関する情報を言ってくんない。」
気乗りのしない返答に、鋭いツッコミが返ってくる。
私は溜め息をついて頭を振る。
向かいに座っている男の腐った魚の目が気に障る。それでも目が行くのは、彼と何処か似ているからなのかもしれない。まぁ彼は天パではなくタンポポみたいな頭だったけど。
『因みにその男の子は私の友達兼家族でして、間違えても無意識に反映された理想の男子ではありませんから』
「いや聞いてねーよ?おたくの理想の男子なんて聞いてないから!後なんで夢話?!というか結局なに?!俺に何して欲しい訳?!」
我慢できずに声を上げる銀髪の男。
まぁ一言で言うと、あれだ。
『私を元の故郷に返してください』
どう見ても此処って
じゃ、私は一体どこに来てしまったんですかね?
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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クミコさん - 更新待っております (2019年9月27日 7時) (レス) id: ad68fbe9cf (このIDを非表示/違反報告)
蓮佳(プロフ) - 凄く面白いです。リメイクできるまで、待ってます!更新頑張って下さい!応援してます!o(^o^)o (2017年10月8日 16時) (レス) id: d772084aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カトレア | 作成日時:2017年7月16日 17時